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2020.10.11

美術館に乾杯! 畠山記念館 その四

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    長次郎の‘赤楽茶碗 銘 早船’(桃山時代・16世紀)

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     ‘備前火襷水指’(重文 桃山時代・16世紀)

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     ‘志野水指 銘 古岸’(重文 桃山時代・16世紀)

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     ‘伊賀花入 銘 からたち’(重文 桃山時代・16世紀)

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    野々村仁清の‘銹絵富士山香炉’(江戸時代・17世紀)

日本の窯で焼かれたものに対する好みは人夫々。趣味でやきものをつくって
いる友人だと、つくりたいのものが絞られているから例えば織部風が好きな
のか備前風にほれ込んでいるのかがわかる。実際に土をこねたり釉薬を調合
することがないと、作品にたいする興味は広がったまま。そのため、目の前
に現れたやきもの展など鑑賞する機会は逃さないようにしている。これを積
み重ねたお蔭でどこの美術館が名品を所蔵しているかおおよそわかっている。

私立のブランド美術館は長次郎や光悦の黒楽、赤楽茶碗を所蔵しているとこ
ろが多い。畠山にある長次郎は‘赤楽茶碗 銘 早船’。これは長次郎七種に
数えられているもの。貫入があるのと高台の上に山形の青鼠色の釉薬が流れ
ている景色が味わい深い。赤と黒の美が心に響く楽茶碗は別格の存在という
思いが強いが、ほかのやきもにも茶人たちに愛された茶道具がある。その
ひとつが‘備前火襷水指’。備前焼茶陶というと花入と水指だが、これは絶品の
水指。備前の見どころである薄い赤茶色の火襷模様が心をとらえて離さない。

志野焼のお宝として誰もが思い浮かべるのは三井記念美にある国宝の‘志野
茶碗 銘 卯花墻’、そして次に有名なのが五島と根津が所蔵する鼠志野(共
に重文)。では、ほかにはどれがあるの?と言われてピンとくる人は何度も
畠山へ通っている人かもしれない。‘志野水指 銘 古岸’は女性的なイメージ
のある志野とはちがい力強く男性的な志野。これと対面するのにえらく時間
がかかり、思いの丈が叶ったのは5年前のこと。葦と桧垣文の絵付けをしみ
じみとみていた。

伊賀焼だと条件反射的にでてくるのが五島の‘古伊賀水指 銘 破袋’とここに
ある‘伊賀花入 銘 からたち’。‘からたち’をみたとき思わずのけぞった。
スゴイ存在感である。表面のビロード釉、黒く焦げた部分が荒々しく備前以上
に強烈な土味が感じられる。やきもののアヴァンギャルドといったところ。

野々村仁清の‘銹絵富士山香炉’は一瞬あっけにとられる作品。富士山に見立て
たのが香炉の蓋の部分、山頂には穴が開いていて香木を焼いた煙がでてくる
ようになっている。この富士山は朝、昼、夜の3ヴァージョンがあり夫々
景色がちがう。仁清の創作センスは天才的。

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