Anytime アート・パラダイス! ホッパーの飲食する人たち
今年はコロナウイルスの感染の影響で海外旅行がパーになり、楽しみにして
いたホテルのランチバイキングめぐりもサービスそのものがなくなった。
そのため、外で食事をする機会がぐんと減っている。これに友人との飲み会
の自粛、同窓会や各種OB会の開催中止がつけくわわる。3ヶ月後、忘年会が
できるだろうか。
ものを食べたり飲んだりする場面を描いた絵画でより親しみを覚えるのは
印象派以降のもの。3人の画家がすぐ思い浮かぶ。フランス人のマネ
(1832~1883)、ドガ(1834~1917)とアメリカ人のホッ
パー(1882~1967)。シカゴ美でホッパー展に遭遇したのは生涯の
喜びだが、大きな収穫だったのが様々な物語が立ち上がってくる飲食の場面
を描いた作品。全部で5点でていた。
メトロポリタンにある‘夫人のためのテーブル’は腰をまげていそいそとテー
ブルの準備をする女給仕の姿が目に焼きつく。マネの‘ビアホールのウエイ
トレス’がすぐ頭をよぎった。レストランのなかの雰囲気が絶妙な構図によっ
てうまく表現されている。‘ニューヨークのレストラン’は人気のお店なのか
大勢の客で賑わっており中央の二人ずれの横ではウエイトレスが皿のかた
ずけをし、後ろ姿の女性の横を男性が立ち去っていく。
ドガとホッパーの描く風俗画風の作品はどこか似ている。‘自動販売機’の中央
で物静かにコーヒーを飲んでいる女性はドガの傑作‘アプサント’をみている感じ
がする。ホッパーはパリに住んでいたからドガのこの絵を意識したにちがい
ない。モデルは2年後‘チョップ・スーイ’にも登場する。今度は友人の女性
と一緒。二人は‘NYのレストラン’と同じく正面向きと後ろ姿で描かれている。
会話が弾んでいる気配はなさそう。
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