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2020.09.06

Anytime アート・パラダイス! ホーマーの絶品海洋画

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      ‘見張り’(1896年 ボストン美)

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     ‘夏の夜’(1890年 オルセー美)

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    ‘右に左に’(1909年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー)

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     ‘ライフライン’(1884年 フィラデルフィア美)

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    ‘メキシコ湾流’(1899年 メトロポリタン美)

ボストン生まれのホーマー(1836~1910)はカサット同様、アメリ
カの美術館をまわったお蔭でその魅力が発見できた画家。この画家の作品は
ヨーロッパの美術館ではほとんどみる機会がない。アメリカへ行く前、知っ
ていたのはオルセーで足がとまった‘夏の夜’だけ。そして、日本であった
ジャポニスム展(西洋美 1988年)でみたことになっている絵がワシン
トン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する‘右に左に’。この2枚だと気になる
画家ではあっても情報が少なすぎて、関心の度合いは変化がないまま時が
流れていく。

作品の数がだんだん増えていったのは2008年からはじまった3回のアメ
リカ旅行。大きな美術館を訪問するたびにホーマーに遭遇した。とくに多く
あるのが故郷のボストン美。待望の‘見張り’と対面できたのは2015年。
はじめての訪問ではホーマーは知る由もなかったが、図録に載った絵をみて
次は見逃さないようにと思った。

そのリカバリーのチャンスがめぐってきた2008年のとき気合十分だった
が、なんと展示室が修復工事で閉鎖中。よくあることとはいえ縁の弱さが悔
やまれた。思いの丈を叶えるのにさらに7年かかった。船の見張り役が大声
を出している姿がアップでとらえられている。この緊迫感にみちた表現が
見事。息を呑んでみていた。予想と違っていたのが絵のサイズ、あまり大き
な絵でなかった。

追っかけ画があと2枚あった。はらはらドキドキの絵‘ライフライン’と北斎
漫画を下敷きにして荒波をゆらゆら飛ぶ鳥を描いた‘右に左に’。どちらも
2013年にフィラデルフィアとワシントンで運よく見ることができた。
救難隊員が難破船から女性を救い出す場面を描くというのは絵画がまさに
ドキュメンタリーフィルムの役割を果たしていることを意味している。

水の動きを描くというのは大変難しい。下手な絵描きには大波がうねる海
の絵はとても無理。‘メキシコ湾流’はホーマーにしか描けない。右から竜巻
が迫り、マストの折れた舟のまわりにはサメがうようよいる。‘黒人青年が、
あまりにかわいそう’と抗議した婦人にホーマーは‘彼は救われるのです。
ご心配なく’と答えたという。

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