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2020.08.25

美術館に乾杯! 横浜美術館 その三

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          安田靫彦の‘窓’(1951年)

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     中村岳陵の‘砂浜’(1937年)

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     速水御舟の‘水仙図’(1924年)

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     工藤甲人の‘地の手と目’(20世紀)

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     近藤弘明の‘寂夜’(1966年)

どの社会でもそこに属する人たちはいろんな基準でグルーピングされる。
日本画家も同じで活躍した時期、作風、表現する画題などによってまとめら
れる。大観や春草、観山のあと画壇の中核を担ったのが安田靫彦(1884
~1978)、小林古径(1883~1957)、前田青邨(1885~
1977)の3人。横浜美はこのビッグネームの作品をしっかり蒐集して
いる。

安田靫彦の描く花の絵は色彩が柔らかく花の優しさが心地よく感じられる。
‘窓’は壺や筆立ての置かれた板の木目が強調されているところがおもしろい。
ぱっとみると平板的なのだが、この木目の描写によって立体感がでている。

下田生まれの中村岳陵(1894~1935)は画風の幅が広く、びっくり
するほど上手い古典画もあれば琳派風の装飾美でみる人をあっと言わせる。
そして、都会の人々のモダンな生活を風俗画タッチで表現するのも得意。
風景画の‘砂浜’はそのままポスターに使えそうなスッキリした画面構成と色彩
の美しさにみとれてしまう。

安田の紫陽花にくらべるとかなり濃密で圧が強いのが速水御舟(1894~
1935)の‘水仙図’。虫メガネで拡大された花の細部がそのまま描かれて
いる感じ。とにかく御舟と小茂田青樹の細密描写は長く見ていると疲れてく
るほど強力。

青森出身の工藤甲人(1915~2011)の‘地の手と目’はシュルレアリ
スムに関心の高い人はすぐピントくるかもしれない。そう、この絵はマック
ス・エルンストの絵を彷彿とさせる。また、ドキッとさせられる靉光の‘目’が
思い浮かぶ。5年前、90歳で亡くなった近藤弘明(1924~2015)
は横浜美以外ではみたことがない画家。幻想的なイメージの強い‘寂夜’は御舟
や青樹の細密な表現と甲人のシュール感覚に加え近藤独特の神秘的な宗教的
世界が表現されている。

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