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2020.07.15

美術館に乾杯! 岡田美術館 その六

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     加山又造の‘初月屏風’(六曲一双 1967年)

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    速水御舟の‘桃梨交枝’(1928年)

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    小茂田青樹の‘粟に蜻蛉’(1930年代)

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    前田青邨の‘風神雷神図’(20世紀)

生涯つきあっていこうと決めている加山又造(1927~2004)は東近
美にもっとも魅了されている絵がある。‘千羽鶴’(1970年)と‘春秋波濤’
(1966年)。柔らかい曲線と金銀を使った工芸的な装飾を存分にちりば
めた表現は日本美術のルネサンスを思わせる。‘千羽鶴’は光悦・宗達の合作
‘鶴下絵三十六歌仙和歌巻’を連想させ琳派のDNAを強く感じさせるし、
‘春秋波濤’は大阪の金剛寺にある大和絵の傑作‘日月山水図’の現代ヴァージ
ョンともいえる見事な絵。

岡田美が所蔵する六曲一双の‘初月屏風’は又造が日本美術の装飾性にのめり
こんで傑作を次々と生み出していた1966~70年頃の作品。だから、絵
の前では息を呑んでみていた。秋風になびくススキに呼応する大きな三ヶ月
がしなやかにうねる波の動きによって微妙に振動しているよう。こんないい
絵だと腹の底から嬉しくなる。

速水御舟(1894~1934)と小茂田青樹(1891~1933)は
精緻な写実表現により花鳥画を描くことにエネルギー注いだ同志。そのため、
画風が似ている。御舟の‘桃梨交枝’は小品で桃と梨の枝が絶妙に交じり合う様
がなかなかいい。一方、青樹の‘粟と蜻蛉’は目にとびこんでくるトンボが心を
ゆすぶる。小さい頃、夏休みはトンボとりに夢中だった。日本画を趣味にし
ているお蔭でトンボの思い出が蘇る。

小林古径と安田靫彦は姿を現してくれなかったが、前田青邨(1885~
1977)はお馴染みの‘風神雷神図’が目を楽しませてくれた。青邨流の風神
雷神はじつに戯画チック。でも、上空から乗ってきた雲は琳派のたらしこみの
技法が使われている。あたりを見渡すような二人のしぐさは観客を意識した
サーカスの道化のようなノリ。‘風神様と雷神様がやって来たよ!’と叫んでい
るのかもしれない。

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