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2020.07.04

美術館に乾杯! MOA美術館 その三

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        牧谿の‘叭々鳥図’(南宋時代・13世紀)

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        馬遠の‘高士観月図’(重文 南宋時代・13世紀)

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    馬麟の‘寒江独釣図’(重文 南宋~元時代・13世紀)

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       梁楷の‘寒山拾得図’(南宋時代・13世紀)

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       雪舟の‘山水図’(室町時代・15世紀)

これまで数多く足を運んだ展覧会の中には強く記憶にとどまっているエポッ
ク的な企画展がある。根津美で2004年に行われた南宋絵画展もそのひと
つ。この展覧会によって足利将軍家が夢中になって集めた牧谿、馬遠など
日本にある南宋絵画の全体像をつかむことができた。だから、このときの
図録は中国絵画のバイブル。ときどきながめているのでどの名画がどこの
美術館におさまっているかはだいだい頭に入っている。

MOAは流石というくらいいい絵を所蔵している。コレクターたちが競って
集めた牧谿は3,4点ある。‘叭々鳥図’はもともと3幅1組で足利将軍家が
もっていたもの。今はMOA、五島、出光にある。牧谿は画僧だったが、
馬遠、梁楷は牧谿より前に活躍した画院画家。馬遠の‘高士観月図’で目を惹
くのは月とそれをながめる高士の間に途中で折れたような松が三角形のフォ
ルムで表現されているところ。下にのびる松は意表をつく。

馬遠の息子の馬麟の‘寒江独釣図’はお気に入りの中国絵画。漁師が体をまる
めて水上に仕掛けた網をじっとみている。釣りの趣味がないので魚が釣れる
のをじっと待つときの心境が実感できないが、こういう風俗画をみると静か
でリラックスできそうに映る。

梁楷の‘寒山拾得図’は馬麟の絵同様、根津美の展覧会に出品された。いろい
ろ描かれた寒山拾得のなかではもっともユーモラスなもの。二人は向きをた
がえて一体化しなぜか笑っている。この笑顔がじつにいい。
ちょっと々、何がそんなに嬉しいの?、と声をかけたくなる。

画聖、雪舟の絵もMOAは1点もっている。‘山水図’。ぬかりがない。これは
破墨の技法で描かれており、墨の濃淡と多用されるぼかしによってうみださ
れるモノトーンの調子は一種の抽象画のようなところがある。

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