美術館に乾杯! 石川県立美術館 その一
かなり前出かけた北陸の人気観光地石川県金沢は苦い思い出がある。高速道
路を順調に進みあと1時間くらいで金沢に到着するあたりで前のクルマの
速度がやけに遅い。それに合わせているとかったるいのでアクセルをふかし
てスピードをあげたら運悪く検問にひっかかりスピードオーバーでアウト。
県外の者は知らないだけで地元の人はここが検問ゾーンだということをよく
承知しているのでゆっくり走っていたのである。罰金はとられるわ免停にな
るわでえらい目にあった。
金沢市内にある石川県立美で一番のお目当てはなんといっても野々村仁清の
‘色絵雉香炉'。これは国宝に指定されている。国産のやきもので国宝はこれ
を含めてわずか5点しかないのでどうしてもみたかった。香炉といっても雉
をかたどった置物のようなものだから親しみが沸く。仁清はほかにも鶴や鶏
の香合もつくっている。また、意表を突く法螺貝の香炉にも惹かれる。
いろいろなやきものがある中で色の強い圧でふっとばされそうになるのが
古九谷。ここには傑作が揃っている。大変魅了されるのが片足立ちした鳳凰。
横向きの姿をすっきりみせる造形美に言葉を失ってしまう。もう一点、いい
のがある。赤を使わない青手の‘樹木図平鉢'、黄色の青海波をバックにして
葉は深い緑、幹は紫で表現された樹木が浮き上がっている。そして縁は緑一
色。これほどインパクトのある青手はそうない。一生の思い出となった。
絵画では琳派展になると欠かせないピースとして展示される俵屋宗達の‘槇檜
図屏風'と久隅守景の‘四季耕作図屏風'が見逃せない。宗達の絵はここではみた
記憶がないが、四季耕作図のほうは農村における仕事の光景が興味深くなが
くみていた。
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