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2020.05.18

美術館に乾杯! 福井県立美術館 その二

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   横山大観の‘老君出関’(部分 1910年)

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   下村観山の‘寿星’(1915年)

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   冨田渓仙の‘越前紙漉’(1926年)

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   川端龍子の‘花下行人’(1940年)

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   横山操の‘川’(1956年)

諺の‘類は友を呼ぶ’がそのまま絵画コレクションのスタイルになっているの
が福井県美。菱田春草(1874~1911)があるなら当然仲間の横山
大観(1868~1958)や下村観山(1873~1930)もみたい。
大観は4,5点あるがお気に入りは‘老君出関’。左の牛に跨った老人が道家
の祖とされる老子。周の役人だった老子は国が衰退するのを憂いこの地を
去り仙人になる。この場面は右幅の国境の函谷関を越えてきたところ。

観山の‘寿星’は見ごたえのある名品。寿星は寿命を支配する南極老人星
(カノープス)のことでその化身が七福神の一人である寿老人。こういう
絵にお目にかかると長生きができそうなので熱心にながめている。5年前
だったら天文学に関心がなくカノープスに反応しなかったが、今は星々の
ことがBS2の‘コズミックフロント’を見ているおかげでだんだんわかるよ
うになりもっと深く知りたいと思うようになった。人生何がおこるかわか
らない。

大観と馬があった冨田渓仙(1879~1936)は福井のイメージと
強く結びつく越前和紙の紙漉きの様子を絵にしている。渓仙の画風はちょ
っと漫画チックなところと子どものお絵かきのように奥行き感がなくペタ
ッとしているのが特徴。優しい感じのする女性の仕事ぶりをみていると
なにか心が和む。

大田区にある川端龍子記念館に10年くらい前よく通った。ここにどどっ
と収蔵されている川端龍子(1885~1966)の大作の数々を全部み
たかったから。その願いが叶えられたので最近は足が遠ざかっているが、
回顧展の図録をひっぱりだすと無性にみたくなることがある。コロナ自粛
が落ち着いたらでかけるかもしれない。‘花下行人’が描かれたのは第二次
世界大戦開戦の翌年、そのため桜を楽しむ人々のなかに国民服を着た人物
が描かれている。

近代日本画のなかで横山操(1920~1973)ほど前衛的な表現をも
ちこんだ画家はいない。画面全体が漆黒の世界になっている‘川’をはじめ
て見た人はこれが日本画?現代アートの範疇ではないの、と思うにちがい
ない。普段の生活のなかで目にする光景を光を消して表現するとこんな感
じになる。では、これで気が滅入るか、じっとみれるかは見る人の世界観
次第。暗くたって心を澄ませば明りがみえてくることだってある。

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