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2020.05.14

Anytime アート・パラダイス! 七変化の画家 カイユボット

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  ‘雨のヨーロッパ広場'(1877年 シカゴ美)

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  ‘ヨーロッパ橋'(1876年 ジュネーブ プティ・パレ美)

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  ‘床のかんなかけ'(1875年 オルセー美)

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  ‘ペリソワール'(1877年 ワシントンナショナルギャラリー)

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  ‘スタンドに並べられた果物'(1882年 ボストン美)

2008年に訪問したシカゴ美にはお宝中のお宝ともいえる絵が3点ある。
スーラの‘グランド・ジャット島の日曜日の午後'、ホッパーの‘夜ふかしをする
人たち'。さて、もう一枚の絵はどれか、それは印象派の画家カイユボット
(1848~1903)の‘雨のヨーロッパ広場'。カイユボットはあまりみた
ことないけど、そんないい絵がシカゴにあるの?と思われた方が多いかもしれ
ない。

ところが々、ここには仰天するほどすばらしいカイユボットがどーんと展示さ
れているのである。縦2.1m、横2.8メートルの大作で人々が行きかう
街路の様子が巧みな構図でとらえられており、見ているわれわれも向こう側に
むかって歩いているよう。そして目が点になるのが雨で濡れた路面の描き方。
その湿潤な感じがよくでており滑らないようにゆっくり歩こうという気になる。

この絵と似た雰囲気をもつのが2013年にブリジストン美で開催された‘カイ
ユボット展'に出品された‘ヨーロッパ橋'。ここで印象深いのは橋の鋼鉄製の橋桁
や真ん中の男女、そして犬の路に映る影、日差しが強いときみられる光景だか
ら絵の中にすっと入っていける。

タイトルの‘七変化の画家'はこの回顧展の副産物。有り難いことにブリジストン
の奮闘によって海外からいい絵画たくさん集まってきた。それらを一点々じっ
くりみながらほかのどの画家と描き方が似ているかいろいろ思い浮かべてみた。
すると、お馴染みの画家たちがでてくる。カイユボットはゴーギャンと同い年
だが、先達の画家たちの技法を吸収し独自の作風をつくっていったことがよく
わかる。例えば肖像画はドガ的なところがあり、オルセーにある‘床のかんなか
け'はどこかマネの絵に通じる。

ひとり乗りのカヌー(ペリソワール)を漕ぐ男たちを描いた作品はモネを彷彿
とさせるが、こちらにぐいぐい進んでくるカヌーを画面の真ん中にすえアッ
プで描くところはカイユボットならではの表現。川の水面に光がきらめきカヌ
ーを速いスピードで乗りこなす若い男がどんどん迫ってくる。これは映画の撮
り方でもある。本当にいい絵と出会った。

ボストン美で遭遇した‘スタンドに並べられた果物'はMy‘静物画ベスト5'に入れ
ている作品。果物の量感と赤や黄色の力に200%KOされた。マネもセザンヌ
もこの果物をみたら裸足で逃げたにちがいない。

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