美術館に乾杯! 大徳寺 その一
京都の街を移動するのはとても楽。縦と横の通りを頭に入れるとそう迷うこ
となく目的地にたどり着く。美術品の宝庫である大徳寺へ行くには一番北の
北大路通をめざせばいい。昔1年ほど京都に住んでいたのでこのあたりの感
じはよくつかめる。
大徳寺の本坊と塔頭の多くが非公開になっているためここにあるお宝をじか
に見る機会はごく限られている。そのため、中国絵画の最高傑作のひとつと
称される牧谿の‘観音猿鶴図'にお目にかかれたのは美術館で開かれる特別展
でのこと。これまで運よく2度見る機会があった。真ん中の慈愛あふれたま
なざしの観音をはさんで鶴と子どもを抱く手長猿が対角線で結ばれている。
ぱっとみてこれはいい!と感じるのだからスゴイ水墨画である。
‘龍虎図も'牧谿の絵で正面向きの虎はあまりみない構図。俵屋宗達がたぶん
これを真似て描いたちょっとユーモラスな顔つきに変えて描いた虎が出光美
にある。宗達流の猫のような虎のもとが牧谿だったとは。
12世紀に制作された‘五百羅漢図'(100幅のうち現存82幅)も大徳寺
のお宝になっている中国絵画の大作だが、12幅が明治の頃アメリカに流出
した。現在、ボストン美とワシントンのフリーア美が分蔵しているが、幸いな
ことにフリーアでみることができた。
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