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2020.02.12

Anytime アート・パラダイス! 比類ない瞬間描写

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   カラヴァッジョの‘いかさま師’(1595年 キンベル美)

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   ‘聖トマスの不信’(1601年 サンスーシ宮殿)

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   ‘キリストの笞打ち’(1607年 カポディモンテ美)

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   ‘ダヴィデとゴリアテ’(1610年 ボルゲーゼ美)

絵画は静止画だが映画のように動く場面をイメージさせる作品がある。カラ
ヴァッジョが心をとらえて離さないのは人物の身振りや内面の動きを瞬間的
に切るとるのがとびぬけて上手いところ。もっとも気に入っているのがアメ
リカのフォートワース(テキサス州)にあるキンベル美が所蔵する‘いかさま
師’。

憎いほど上手く描かれているのはカード遊びをしている左の甘ちゃん若者の
カードを覗きこみ右の男に教えている中央の男。目をカット開いてみる表情
がじつにリアル。この若者はグルになっている二人にいいようにカネを巻き
上げられる。ワルの大胆な行動と能天気な甘ちゃんの差を浮き彫りにする
人物描写にほとほと感心させられる。

‘聖トマスの不信’でトマスのやっていることは例えば手術で執刀中の医師を
すぐ連想するし、遺跡から出ていた化石を泥を払いのけながら調査している
考古学者の真剣なまなざしのようでもある。宗教画を離れてもいろいろ想像
がふくらむのはカラヴァッジョの人々を観察する能力が高く、それを写実的
に表現する技術をもっているから。

冷静さを失い感情のおもむくまま激しく他者と向き合う人間はずっと々昔か
ら存在する。時代が今と大きく隔たった過去の出来事でも悪党の残虐さは変
わらないことをつくづく思わせる絵が‘キリストの笞(むち)打ち’。刑吏の
残忍性丸出しの顔つきが衝撃的。これほどキリストに対する暴力性きわまる
懲らしめを表した作品があっただろうか。

ゴリアテの首がカラヴァッジョの自画像ともいわれる‘ダヴィデとゴリアテ’は
ダヴィデの心の揺れがよくでている。勝つには勝ったがまだ恐怖心から解放
されてなく、無理やり呼吸を整えながら心を落ち着かせている感じ。首をも
つ手は小刻みに震えているにちがいない。

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