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2020.01.18

美術館に乾杯! 泉屋博古館 その三

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   岸田劉生の‘二人麗子図’(1922年)

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    山下新太郎の‘読書の後’(1908年)

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    東山魁夷の‘スオミ’(1963年)

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    板谷波山の‘葆光彩磁果文花瓶’(重文 1917年)

昨年の夏から秋にかけて東京ステーションギャラリーで岸田劉生
(1891~1929)の没後90年を記念した回顧展が開催された。好き
な画家だから見逃すわけにはいかない。東京のあと名古屋、山口に巡回する
ロング興行の間、劉生の代名詞となっている‘麗子像’は全部でコンテ、水彩
もふくめると24点でてきた。そのなかに最も大きな‘二人麗子図’もあった。

麗子像の‘ベスト3’にしているのはもっとも有名な‘麗子微笑’とこの絵の1年
後に描かれた‘二人麗子図とまだ縁のない‘麗子住吉詣之立像’。二人の麗子が
あたかも双子のように寄り添っている姿を描くのはかなり神秘的な表現だが
、なぜかあまり違和感がなくみれる。それは二人の白い顔が少女というより
は若い女性がみせる美しさを感じさせるから。

フェルメールの絵に女性が手紙を読む場面を描いたものがあるが、これとの
関連で思い出すのは山下新太郎(1881~1966)の読書をする女性。
東近美にあるのは窓際の女性を後からとらえた作品で、アーチゾン美(旧ブ
リジストン)のは読書中の女性。そして、ここにあるのは本を手にもち一息
ついている女性。この状況では肖像画そのものだから絵の魅力はぐんと増す。
しかも色白の綺麗な女性とくれば目はとろんとなる。

東山魁夷(1908~1999)が北欧を旅行したときの体験をもとに描い
た風景画で大変魅了されるのがフィンランドの森林や湖を横にどこまでも広
がるようにとらえたもの。3点ありいずれも大作、その一枚が‘スオミ’。まだ
一度しかみてないが、2年前国は違うが冬はともに厳しい自然と向き合わな
くてはならないノルウェーを旅したので、再会すると絵に感じるものがちが
ってくるのにちがいない。

出光美同様、住友コレクションにも板谷波山(1872~1963)のいい
作品が揃っている。‘葆光彩磁果文花瓶’にお目にかかったとき端正で緻密な
果物模様の描写を唖然としてみていた。完璧主義者の波山は納得のいく焼成
でないと片っ端から壊したという。そうした高い完成度を追及することによ
り、葆光彩磁の美しさが心を打つ見事な花瓶が生まれた。

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