« 美術館に乾杯! 大和文華館 その二 | トップページ | 美術館に乾杯! 法隆寺 その一 »

2019.12.11

美術館に乾杯! 大和文華館 その三

Img_0002_20191211221901
     尾形光琳の‘流水図乱箱’(18世紀前半)

Img_0001_20191211221901
   尾形光琳・乾山の‘銹絵楼閣山水図四方火入’(18世紀)

Img_20191211221901
    尾形乾山の‘色絵夕顔文茶碗’(18世紀)

Img_0003_20191211221901
    英一蝶の‘僧正遍昭落馬図’(17世紀後半)

ヨーロッパの美術館でもアメリカの美術館でも印象派の作品を集めたがる。
とくにアメリカは古典絵画の市場には後から参入したため思うように名画
が手に入らない分、モネやゴッホらの絵を夢中になって購入する。
日本画の場合でみてみると、ブランド美術館が熱心に蒐集しようとするの
が琳派の絵画や工芸品。大和文華館にも尾形光琳(1658~1716)
と尾形乾山(1663~1743)のいい絵とやきものがある。

光琳・乾山の兄弟は着物の販売を商いとする家に生まれたので、小さい
ときからみ着物の絵柄となるモチーフや文様には目が慣れている。そのた
め、‘流水図乱箱’で表現した流水のフォルムが光琳のしなやかな頭のなか
からふっと浮かんでくるのかもしれない。まるで現代アートをみている
よう。

光琳が絵を担当し、乾山がそれをやきものに仕上げた合作は角皿など数
多くあるが、‘銹絵楼閣山水図四方火入’もそのひとつ。光琳の山水画はぱっ
とみると雪舟の絵を彷彿とさせる。器の形に合わせて画題を選ぶのは光琳
の引き出しの多さを物語っている。

乾山の‘色絵夕顔文茶碗’はお気に入りの一品。黒地に白で夕顔の花を大きく
描き、それと負けないくらいのインパクトで緑の蔓を寄せていく。黒、白、
緑のコントラストがとても洒落ており強く印象に残る。見慣れた形の茶碗
に大胆な色彩の取り合わせをもってくるという発想が時代を突き抜けて
いる。乾山に乾杯!

光琳より6年早く生まれてきた英一蝶(1652~1724)は風俗画の
名手。人物をおもしろ可笑しく描くのはお手のもの。‘僧正遍昭落馬図’は思
わずニコッとなる。落馬した原因は遍昭が道端に咲く女郎花(おみなえし)
に見惚れていたから。疾走する馬と僧衣がまくれ足が跳び上がっている
遍昭の姿が平行的な位置取りになっているため、落馬を実感しやすい。
一蝶は動的描写が天才的に上手い。

|

« 美術館に乾杯! 大和文華館 その二 | トップページ | 美術館に乾杯! 法隆寺 その一 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 美術館に乾杯! 大和文華館 その二 | トップページ | 美術館に乾杯! 法隆寺 その一 »