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2019.12.02

美術館に乾杯! 無量寺・串本応挙芦雪館

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      長澤芦雪の‘虎図’(重文 1786年)

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      長澤芦雪の‘龍図’(重文 1786年)

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      長澤芦雪の‘唐子琴棋書画図’(重文 部分 1786年)

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      円山応挙の‘波上群仙図’(重文 1786年)

和歌山の串本は潮岬がある本土最南端の街。ここの無量寺のなかにつくら
れた串本応挙芦雪館を2004年に訪問した。お目当ては長澤芦雪(1754
~1799)の‘龍虎図’。絵画好きだからどんなところにも足を運ぶ。建前
的にはそうだが、交通アクセスのことを考えると和歌山まで出かけるにはな
かなか踏ん切りがつかない。

ところがいい機会がめぐって来た。広島での勤務を終え横浜にクルマで帰還
することになったが、この際だから走行ルートを途中から南のほうへ向け
徳島の鳴門の渦潮と串本の芦雪の虎をみることになった。大遠征である。

無量寺の本堂が1786年に完成したのを機に障壁画が飾られた。描いたの
は長澤芦雪と師匠の円山応挙(1733~1795)。京都から派遣された
芦雪は‘龍虎図’、‘唐子琴棋書画図’、‘薔薇に鶏・猫図’を描き、応挙は現地に
は出向かず‘波上群仙図’を芦雪に託した。

‘龍図’はほかにも同じ描き方のものをみているのでさらっとみてしまうのに
対して、‘虎図’のほうはじっくりながめてしまう。おもしろいのはこの虎は
胴体は曲がっているが顔は正面向きになっていること。そして、この顔が
あまり怖くない。狩野山楽の虎のような獰猛さはまったく感じられず、
まるで大型の猫と対面しているよう。こんな愛嬌のある虎ならこちらもリラ
ックスして楽しめる。

子どもが絵描きの真っ最中のところを描いた‘琴棋書画図’は思わず口元が
緩む。絵の板を二人の子どもがしっかり支えている姿が微笑ましい。筆を
走らせている子ども絵師が仕上げようとしているのは木の枝にとまった烏。
なかなか気合が入っている。

応挙の‘波上群仙図’に登場するのは鯉に乗る琴高仙人と杖をつく鉄拐仙人。
二人とも中国画によくでてくる人物だが、波の上に描かれるのは珍しい。
応挙の頭のなかは相当シュール気分が宿っている。

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