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2019.11.29

大浮世絵展 パート2!

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  喜多川歌麿の‘歌撰恋之部 あらはるる恋’(1792~93年 シカゴ美)

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  歌麿の‘婦女人相十品 煙草の煙を吹く女’(1793~94年 シカゴ美)

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  歌麿の‘千代鶴おりせ’(1794~95年 ベルギー王立美歴博)

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   歌麿の‘武蔵野’(1798~99年 ボストン美)

江戸東博で11/19からはじまった‘大浮世絵展’(来年1/19まで)をみ
てきた。5年前同様大規模な浮世絵展で今回は人気の高い歌麿、写楽、
北斎、広重、国芳の5人にスポットを当てている。色の摺りの状態がほれぼ
れするほどいい里帰りのものを含めて作品数は会期中全部で366点。一回
の出動では済みそうにない質、数ともに一級の浮世絵展である。

西洋絵画ならルノワールやマネの女性画に心がときめくように喜多川歌麿
(1753~1806)の美人画には特別の思い入れがある。会場に入って
すぐスゴイ歌麿が集結していることがわかったので、鑑賞の集中度を10の
レベルに引き上げた。出品作はどの絵師についても多くは前期(11/19
~12/15)と後期(12/17~1/19)に分けられて展示される。
これほどいい摺りの歌麿がでていたら(全部で64点)まだみてないもの
があれば見逃すわけにはいかない。歌麿の美人画ワールドを存分に楽しむぞ
、という気になった。

初見で一番ぐっときたのが‘婦女人相十品 煙草の煙を吹く女’。画像ではわ
からないが実際の絵では女が吹きだした煙が空摺りで表現されている。すぐ
形が消えていく煙草の煙を女の色香がほんのりでてくる小道具のように使
うところが歌麿の豊かな感性のなせる技。

‘歌撰恋之部 あらはるる恋’は女性の髪や肌の匂いがもろに感じられそうな
絵。画面いっぱいに顔をどアップでみせられると黙っていてもこちらの体も
最接近してしまう。櫛がしっかり髪にささってなくなんだかドタバタしてい
る様子。心の乱れが透けてみえるのでここはすっと離れたほうがいいかも
しれない。

人物の影を描くことで料理茶屋における座敷遊びの楽しさを浮かび上がらせ
ている‘千代鶴おりせ’にも思わず足がとまる。これをみていると広重の‘名所
江戸百景 月の岬’の障子に映る遊女の影が思い起こされる。遊びの世界の
悲哀をこういう風に影で演出する浮世絵が西洋の人たちをドキッとさせたの
は容易に想像できる。

3枚続の‘武蔵野’で目が点になったのは雲母摺りの使われた背景の大きな月。
近未来に計画されている月への宇宙旅行で体験できるような光景がこの絵に
重なってくる。武蔵野の広い空間でくりひろげられる若い侍の捜索劇をこの
月は一部始終みている。

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コメント

いづつやさん、こんばんは。
先日、私も「大浮世絵展」に行ってきました。
歌麿と写楽は摺りのいい作品が集まっていましたね。
とくに歌麿のラインアップが良すぎて、歌麿の美人画にハマりそうです。
人相シリーズの美人画の背景は、うっすらと白雲母の輝きがあり、かなり凝った摺りをしていると思いました。
こちらの記事で、「婦女人相十品 煙草の煙を吹く女」の煙の空摺りや「武蔵野」の白雲母摺りの満月を紹介していただいたので、見せ場を見逃すことなく済みました。
立ったまま見るとわかりませんので、会場が空いてきてから、低い位置から角度をつけてしっかり確認しました。
ありがとうございます。

投稿: 上野東京ライン | 2019.12.11 03:03

to 上野東京ラインさん
歌麿のラインナップが最高ですね。じつはアップ
してませんがメトロポリタン蔵の‘ポぺンを吹く
娘’の色をみたくて6日にまた行きました。

そして、まだ一度もみていない‘日傘をさす女’
と対面するため24日から27日の間に3度目の
出動をすることを決めています。
江戸東博に拍手々です!

投稿: いづつや | 2019.12.11 23:45

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