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2019.10.05

美術館に乾杯! 足立美術館 その三

Img_20191005221901     川合玉堂の‘鵜飼’(1931年)

 

Img_0002_20191005221901     橋本関雪の‘猿’(1940年)

 

Img_0001_20191005222001     松林桂月の‘山泉’(1940年)

 

Img_0003_20191005222101     山元春挙の‘奥山の春図’(1933年)

 

どんな組織でもそのメンバーの能力には順番がついている。日本画の世界で
も最前列にいる画家は高い知名度、人気を誇っておりビッグネームと呼ば
れる存在。その次の列にいるのが準ビッグネームのグループ。お金を払っ
てみる展覧会で関心があるのはこの2列まで。評判の高い美術館にはこうし
た画家の作品が数多くあり、展覧会にもよく出品される。

足立美を訪問して収穫だったのはビッグネームの面々のほかにこれまでほと
んどみたことのなかった準ビッグネームの画家たちに多くであったこと。
これにより日本画の世界が大きく広がった。出版社が日本画の全集を発行す
るときそこに選ばれる画家とか文化勲章受章者のことを一応ビッグネームと
しているが、川合玉堂(1873~1957)は勿論ここに入る。玉堂の
得意のモチーフが鵜飼。ここにもいいのがある。

橋本関雪(1883~1945)は日本画をもっている美術館ならどこでも
見られるという画家ではないが、馬や猿の絵で有名。猿は手長猿が描かれ
ることが多いが、ここにあるのはニホンザル。秋の季節には定番の柿を食べ
ようとする猿の姿がリアルに描かれている。とても親しみの沸く猿である。

山口県出身の画家というと狩野芳崖がいるが、もうひとりいい画家がいる。
それは文化勲章をもらっている松林桂月(1876~1963)。月明りを
バックにした白黒写真のような繊細な花鳥画が東近美にあるが、彩色を施し
たこの‘山泉’にも大変魅了される。流れの速い水流に集まる鳥たちが生き生
きとしている。

豊かな水量をたたえた渓流の描写に思わず足がとまる山元春挙(1871~
1933)の‘奥山の春図’はお気に入りの一枚。水の流れや波の動きのように
形がすぐ消えてなくなるものを描くのは大変難しい。そんなモチーフの質感
をこれほどうまく描き出せるのだからその画力は相当高いレベルにある。

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