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2019.10.21

美術館に乾杯! 笠岡市立竹喬美術館

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    小野竹喬の‘島二作 早春(右)冬の丘(左)’(1916年)

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      ‘新秋’(1948年)

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      ‘野辺’(1967年)

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      ‘樹間の茜’(1974年)

広島県は瀬戸内側の西の端が福山市で国道2号線を東に進むと岡山県に入り
笠岡市に到着する。日本画家の小野竹喬(1889~1979)はこの街の
出身で市立の竹喬美術館がある。こじんまりとした美術館だが、ここで
1999年、生誕110年・没後20年を記念した小野竹喬展が開催された。
広島に滞在しているとき蘭島閣美で福田平八郎展、笠岡で竹喬の回顧展に
遭遇したのは幸運なめぐりあわせだった。

地元の画家の美術館らしく初期の作品を多く所蔵している。そのなかで画集
によく載っているのが27歳のとき描いた‘島二作 早春・冬の丘’。縦長の
画面を使った南画風の明快な緑や大橙色が印象的な風景画だが、立体的な
画面構成に深く傾倒していたセザンヌの表現の影響がみられる。

‘新秋’は木々の葉っぱを点描のように細やかに描写し自然の生命感を
表現するとともにカラリスト竹喬の魅力が地面の草花や背景のすっきりした
緑や黄色に現れている。そして、真ん中に立つおかっぱの少女により人々が
今新秋の情感を感じはじめていることがわかる。

‘野辺’と‘樹間の茜’は竹喬風景画をみる楽しみが一段とます作品。‘野辺’では
道端にはえた芒に視線が釘づけになる。秋のイメージは紅葉がすぐ思う浮
かぶが柿や芒も秋の定番アイテム。この芒は下から見上げているような感じ
がすごくいい。‘茜の画家’と呼ばれた竹喬の最後にたどりついた茜が‘樹間
の茜’、装飾的なところは琳派の絵を連想させる。色彩の力と装飾美が見事に
融合している。

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