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2019.10.07

美術館に乾杯! 足立美術館 その五

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    寺島紫明の‘舞妓’(1961年)

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    伊東深水の‘湯気’(1961年)

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    宇田荻邨の‘高尾の女’(1928年)

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    入江波光の‘拈華菩薩’(1944年)

上村松園とともに人気の美人画として一世を風靡した鏑木清方の門下に兵庫
県明石市生まれの寺島紫明(1892~1975)がいる。回顧展がないの
でみた作品の数は少ないが、いい舞妓の絵が記憶に残っている。とくに惹か
れるのがここが所蔵しているもの。印象深いのが唇、帯や簪にみられる赤。
これがアクセントとなって色白で美形の舞妓を輝かせている。みているだけ
でドキドキしてくる。

鏑木清方同様、関東でもてはやされた美人画家が伊東深水(1898~
1972)。松園や清方との違いは画面にあまり余白をとらずモデルを大き
く描くこと。そのため女性の存在感をより感じることになる。‘湯気’は湯殿
で丸髷を結った女性が温かくした水につけた手拭いを絞る姿が絵描かれて
いる。浴衣の袖が濡れないよう端をくわえるところと立ちこめる湯気の描写
がじつにリアル。美人画というより日頃目にする生活のひとコマをすぐ近く
で見ている感じ。

宇田荻邨(1896~1980)の‘高尾の女’は忘れられない一枚。これを
みてすぐ連想するのが土田麦僊の‘大原女’。いかにも京都の洛外をイメージ
させる設定だが、女の顔がすごく整っていることに気がつく。働く女という
風ではなく気品のある女性を描くところが洗練された京都の風土を愛した
荻邨流の演出。

菩薩像の画家というと村上華岳がすぐ思い浮かぶが、その画風を彷彿とさせ
るのが入江波光(1887~1948)の‘拈華菩薩’。京都市生まれの波光は
華岳や榊原紫峰らと同じ美術学校で学んでいたので華岳の絵を意識したのか
もしれない。

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