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2019.09.16

美術館に乾杯! 福岡市美術館 その三

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   野々村仁清の‘色絵吉野山図茶壺’(重文 17世紀)

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    ‘病草紙 肥満の女’(重文 12世紀後半)

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    ‘泰西風俗図屏風’(重文 17世紀初)

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    尾形乾山の‘花籠図’(重文 18世紀後半)

福岡市美の所蔵する作品の幅は広く、日本美術の名品も数多くある。作品の
インパクトが強ければ強いほどそれをもっている美術館の名前も胸に刻まれ
る。その美術品は野々村仁清の‘色絵吉野山図茶壺’。色絵の茶壺はMOAの
国宝‘藤花文’など仁清の代名詞となっているが、そのなかで最も魅せられてい
るのがこの吉野山の絵柄。桜満開の吉野山をきらびやかな金の装飾と茶壺の
丸い形と親和性のあるもこもこ山の重なりによって見事に表現している。

平安時代の終わりごろ、‘餓鬼草紙’や‘地獄草紙’と一緒に描かれた‘病草紙’の
なかに思わず吹き出してしまうユーモラスな絵がある。美味しいものを食べ
過ぎて歩くこともままならなくなった超肥満の女。この女を両サイドから支
えている付き人の表情がじつにおもしろい。‘欲望のままに食べるからこんな
ざまになるんですよ。こっちだって手がしびれるくらい痛んだからね。いい
加減にしてよ!’

‘泰西風俗図屏風’は筑前黒田家に伝来した初期の洋風画。これは右隻で春夏の
風俗が描かれている。リュートやハープを演奏する場面はルネサンス絵画を
みているよう。イエズス会が開設したセミナリオにいた日本人絵師は確かな
腕をもっており、模写の繰り返しにより遠景の描き方も十分にマスターして
いる。

尾形乾山(1663~1743)はやきものだけでなく、絵でも才能を発揮
した。太い黒の線で強く印象づけられる花籠には秋の野草がざざっと入れら
れている。注目は下の籠。わざと斜めにして動きを出している。こういう
感性は並の絵師からは生まれてこない。

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