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2019.09.21

印象派オールスターの風景画!

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   ゴッホの‘花咲く桃の木々’(1885年)

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    モネの‘アンティーブ’(1888年)

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   セザンヌの‘大きな松のあるサント=ヴィクトワール山’(1887年)

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  ピサロの‘ロードシップ・レーン駅、ダリッジ’(1871年)

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   スーラの‘クールブヴォワの橋’(1887年)

来月11日から上野の森美で‘ゴッホ展’が開催されるが、その前に東京都美に
でかけるとコートールド・コレクションの大事なピースとなっている‘花咲く
桃の木々が楽しめる。ゴッホ(1853~1890)が描いた風景画のなか
でこれは広々とした農村の光景のせいでゆったりとした気分でみられる。強
く印象に残るのは横にのびる果樹園に咲き誇る桃の白い花と農村全体に覆い
かぶさる点描風に描かれた雲。この絵を上回るのが上野の森美に登場するだ
ろうか。

明るい太陽の光が眩しく感じられるモネ(1840~1926)の‘アンティ
ーブ’は2011年、パリのグランパレで行われた大モネ展にも出品された。
真ん中で画面を分断するように斜めに描かれた松の木は当時の人たちには違
和感があったかもしれないが、われわれは広重や北斎の浮世絵風景画を見慣
れているのでいい構図に仕上がったなと感心してみてしまう。

コートールド・コレクションにはセザンヌ(1839~1906)が11点あ
る。5点の風景画で人気が高いのが‘大きな松のあるサント=ヴィクトワール
山’。これまで日本にやって来た回数は最も多い。ワシントンのフィリップス
コレクションにもよく似た構図の作品がある。左の松の枝がサント=ヴィク
トワール山の稜線を指し示すように長くのびている。こういう構図は趣味で
描く日曜画家の好むスタイルだが、枝にこうした役割をさせることまでは考
えつかない。そこがセザンヌの偉大なところ。

印象派の仲間うちでは兄貴格の存在だったピサロ(1830~1903)の
‘ロードシップ・レーン駅、ダリッジ’はお気に入りの一枚。駅を出たばかりの
汽車を正面からとらえたのはターナーの有名な絵、‘雨、蒸気、スピードーグ
レート・ウェスタン鉄道’を意識したのだろう。よく目にする汽車の絵とは違
い、汽車がこちらに力強く向かってくる姿は産業近代化の象徴そのもののよ
うに映る。

ゴッホにも影響を与えたスーラ(1859~1891)の点描技法。コート
ールドには風景を点描で描いた‘クールブヴォワの橋’と人物画‘化粧する若い
女’の2点あるが、今回は‘若い女’のほうはロンドンで留守番。右手前の太い
幹の木やヨットの帆、川沿いに立っている人物、さらには遠くにみえる工場
の煙突、どれも計算された垂直線が斜めの方向につらなっていく。空間は歪
むことなくきちっと縦や横の直線で区画される感じ。

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