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2019.09.22

コートールド自慢のセザンヌ・コレクション!

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   セザンヌの‘カード遊びをする人々’(1892~96年)

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    ロートレックの‘ジャヌ・アヴリル’(1892年)

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    モディリアーニの‘裸婦’(1916年)

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    アンリ・ルソーの‘税関’(1890年)

セザンヌ(1839~1906)には風景画、静物画、そして妻をはじめと
した肖像画の3つのタイプの絵がある。今回出品された10点には肖像画と
いうよりは風俗画という分け方をしたほうがいい絵画が2点含まれている。
‘カード遊びをする人たち’と‘パイプをくわえた男’。

正面向きで描かれているパイプをくわえた男はカードを楽しんでいる左の男
でもある。この2点には強い思い入れがある。2010年秋にロンドンを訪
れたとき、足を運んだコートールド美で通常展示のほかに‘カード遊びを
する人々’にスポットをあてたミニセザンヌ展に遭遇した。当時はオルセーが
改修のため所蔵作品が海外の美術館から引っ張りだこだった頃でこの企画展
にもオルセーの同じ名前の作品が出品されていた。

コートールドのカードプレイヤーはオルセーとくらべると少し大きな画面に
向き合う二人の姿が余裕をもって描かれている。そのため、画面いっぱいを
使って男の頭から腰までが描かれているオルセーのほうがインパクトの強い
人物描写になっている。単独でみるとこういうことがわからない。貴重な
鑑賞体験になった。

日本でロートレック(1864~1901)の回顧展が開かれると作品の
大半がパリの歓楽街ムーラン・ルージュのポスターとか踊り子の版画となる
ことが多い。だから、ロートレックの油彩画‘ジャヌ・アヴリル、ムーラン・
ルージュの入口にて’と‘個室の中’がみれるのは幸運この上ない。しかもこの
2点、とてもいい出来。陰気くさい表情が意外な印象を与えるダンサー、
ジャヌの‘静’と無邪気な笑いが心を揺すぶる娼婦の‘動’を対比させて並べる
演出が洒落ている。

最後の展示室で目を惹くのがモディリアーニ(1884~1920)の‘裸婦’。
よくみるとこの裸婦はモディの代名詞となっているうりざね顔のイメージが
薄くなっていることに気づく。目をつむっていてくれるのは好都合。長くみ
ていた。

アンリ・ルソー(1844~1910)はスーラの点描画同様、展覧会でみ
る機会が少ないので1点でも登場するとどうしても画面の隅から隅までみて
しまう。絵全体の印象がどこかスーラの風景画と似ている。木々や工場の
煙突のまっすぐのびる垂直線が目に焼きつき、音が消えたような空間により
熱い思いが徐々にクールダウンさせられる。

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