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2019.09.17

美術館に乾杯! 福岡市美術館 その四

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    牧谿の‘韋駄天・猿猴図’(南宋~元時代 13~14世紀)

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    横山大観の‘寒山拾得’(1915年)

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    冨田渓仙の‘御室の桜’(1933年)

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    高島野十郎の‘早春池畔’(1953年)

日本では人気の高い牧谿は南宋から元初にかけて活躍した禅林の画僧。どこ
かの美術館が‘牧谿展’を企画するのを夢見ているがまだその気配がない。これ
まで例えば南宋画展(根津美)などで目玉の作品‘瀟湘八景図’をみる機会が
あった。‘韋駄天・猿猴図’は2008年徳川美で行われた‘室町将軍家の至宝
を探る’でお目にかかった。真ん中の韋駄天がブ男すぎるので左右の猿の姿に
視線が集中する。

横山大観(1868~1958)は西洋画でいうとルーベンスのような存在。
どこの美術館を訪れてもひょいと顔を出す。九州では熊本県美に‘老子’などい
いのがごそっとあるが、福岡には‘寒山拾得’がある。古来しばしばとりあげら
れた画題を戯画っぽく描くのが大観流。余白が広い分寒山拾得の個性の読み解
きが自在になる。

博多の商家に生まれた冨田渓仙(1879~1936)が京都の仁和寺にある
八重桜を描いた‘御室の桜’に大変魅了されている。この絵が渓仙の代表作で
‘昭和の日本画100選’(1989年)に選ばれた。絵の存在を知ってから
本物に出会うまで長い時間がかかった。ちょうど10年前茨城県近美で待望
の回顧展があり、望みが叶った。

びっくりするほど精緻な写実表現により絵画ファンの関心が徐々に高まってい
る高島野十郎(1890~1975)は久留米の出身。この洋画家を世に出す
きっかけをつくった福岡県美に作品がたくさんあり、それらが2016年目黒
区美で開かれた高島野十郎展に展示された。それらに混じって福岡市美が所蔵
する‘早春池畔’も出品された。半端でない木々のリアルな描写にくわえて巧み
な構図が深い味わいをもたらす。何時間でもみていたい風景画はそうない。

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