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2019.08.19

美術館に乾杯! 広島県立美術館 その五

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   藤田嗣治の‘婦人像(リオ)’(1932年)

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   ベン・シャーンの‘強制収容所’(1944年)

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   ファイニンガーの‘海辺の夕暮’(1927年)

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   ニコルソンの‘1933(絵画)’(1933年)

寒くない季節に秋田の美術館へ出かけ藤田嗣治(1886~1968)の
大壁画‘秋田の行事’をみることを隣の方と何年も前から話題にしている
が、なかなか実現しない。藤田の回顧展が開かれるたびにこの壁画を依頼
した富豪平野政吉のコレクションがどっと出品される。昨年の回顧展
(東京都美)には南米旅行のスタートとなったブラジルのリオデジャネイ
ロでみたカーニバルの光景が描かれた2点の油彩が登場した。広島県美に
ある‘婦人像(リオ)’も一緒に描かれたもの。乳白色の裸婦とは画風がガラ
ッと変わり現地の人物の生の感覚が漂う圧の強い風俗画があらたに誕生
した。

ダリの‘ヴィーナスの夢’と同じく衝撃度の大きかったのがベン・シャーン
(1898~1969)の‘強制収容所’。自由を奪われた受刑者の絵として
思い浮かぶのはゴッホがドレの白黒の原画をもとにして描いた‘監獄の中庭’
がある。シャーンの絵はゴッホよりもリアリテイが強い。緊張感を強いら
えるのは二人の男を囲っている刺のついた鉄線。小さい頃、入ってはいけ
ない場所はだいたいこんな鉄線が張られていた。これを広げて刺に引っか
からないように背中をまるめて侵入。このスリルがなんとも爽快だった。

ファイニンガー(1871~1956)はドイツ系移民の子としてニュー
ヨークに生まれた。16歳のときドイツに渡りヨーロッパで画家人生の
大半をすごしたが、ナチズムの台頭により退廃芸術家と刻印されたりした
ので1937年にNYに戻った。‘海辺の夕暮れ’が描かれたのはバルト海
沿岸。普通の海景画ではなく対象の形を水平線と縦の線でキュビスム風に
再構成し透明感のある夕暮れを表現している。1927年にこういう海の
絵を25点も制作した。

抽象画の作品をみた後では自分でも描るのではと勝手な妄想をよびこむ。
イギリス人のベン・ニコルソン(1894~1982)の作品はこういう
後知恵がおきてもおかしくないほどシンプルな線で構成されている。赤い
三角は魚の尻尾のイメージ。その横の丸い膨らみが頭。黒地のなかの白丸
は目ん玉。具象的な描き方でない分想像はいろいろ生まれる。

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