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2019.08.08

美術館に乾杯! 大原美術館 その六

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  デ・キリコの‘ヘクト―ルとアンドロマケーの別れ’(1918年)

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      フォートリエの‘人質’(1944年)

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      フォンタナの‘空間概念’(1961年)

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    ポロックの‘カットアウト’(1848~58年)

印象派やポスト印象派のあとでてきた現代絵画の真髄にふれるにはパリの
ポンピドーやNYのMoMAやグッゲンハイムへ出かけて本物と直に接するのが
一番手っ取りばやい。しかし、仕事をやりながら趣味で楽しむ絵画となると
そうもめりこめないのが実情、とくに若い頃はお金もなく時間もないからふ
らっとポンピドーへ行ってみようなんてことはおこらない。だから、現代
アートとのかかわりで目が慣れるのは日本の美術館で定期的におこなわれる
ピカソ展によって感じることのできるキュビスムくらい。

でも、キュビスムだけではバラエティに富む現代アート全体の動きやいろい
ろある画法のおもしろさのほんの一部にふれただけにとどまる。この世界は
フォーヴィスム、シュルレアリスム、抽象絵画、レディ・メイド、アクショ
ンペインテイング、ポップアート、、など様々な流派が入り乱れている。
10人の個性豊かなア―ティストがいれば10のアートが生まれるといって
いい。

はじめて大原を訪問したとき、強く印象に残った現代アートは3点あった。
まず、すっと入っていけたデ・キリコ(1888~1978)の‘ヘクト―ル
とアンドロマケーの別れ’。2つのマネキン人形は男性のバレリーナにみえ
これからバレエを踊るイメージ。どうしてマネキンなのか?デ・キリコは
一体何を表現したいのか?謎につつまれた画家のひとりになった。

ジャン・フォートリエ(1898~1964)の‘人質’もまあ人の横顔だとわ
かる。興味をひくのは厚く塗られた絵の具、コンクリートがかたまるときの
質感に似ている。生々しいナチスの脅威がこんな表現になった。重い具象的
抽象画としてすぐ思い浮かぶ作品になった

もっとも衝撃的だったのがルーチョ・フォンタナ(1899~1968)の
‘空間概念’、なんどキャンバスが3ヶ所切り裂かれている。こんな絵があった
の!? 誰が描いたの?赤一色でも強烈なイメージなのに大胆にもフラット
な平面がカットされそこだけが短冊のように立体的になっている。いっぺん
にフォンタナの名前を覚えた。

ポロック(1912~1956)の‘カットアウト’は当時みたという実感が
ない。これはエル・グレコやゴーギャン、モネに気をとられ鑑賞のエネルギ
ーはアクションペインティングのポロックまでそそがれなかったから。落ち
着いて見れるようになったのはだいぶたってから。2011年、西洋美で
開催されたポロック展にも出品されたが、まんなかの白い人物の動きがおも
しろく感じられた。

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