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2019.07.12

美術館に乾杯! オルセー美 その二十

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    スーラの‘サーカス’(1891年)

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  スーラの‘ポール=アン=ベッサン、満潮時の外港’(1888年)

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   シニャックの‘マルセイユ港の入り口’(1911年)

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    レイセルベルへの‘舵をとる男’(1892年)

美術本に載っている画家の代表作をみるためにどういう段取りで美術館を訪
ねるか。とりあえず団体ツアーに参加して自由行動のオプションを使って
美術館にたどり着く。こういう選択をして上手くいく画家とそれでは半分も
みれない画家とにわかれる。点描画で画壇に新風をまきおこしたスーラ
(1859~1891)は団体ツアーに参加でもOKのケース。

作品の数が少ないスーラは幸運を味方につけてブランド美をまわると極上の
点描画が楽しめる。最高傑作はオルセーではなくてシカゴ美にある。
あの有名な‘グランド・ジャット島の日曜日の午後’。この絵は遺言により門外
不出となっているので出かけて行かないと一生みれない。2008年、運よ
くシカゴ美も入館するツアーをみつけ長年の夢が叶った。なにか大仕事をし
たような気分だった。

オルセーにある‘サーカス’はスーラの作品としては例外的にとても賑やかな絵。
人物の漫画チックな描写や動きのある構図はロートレックの踊り子や男優と
似ている。これとペアになる享楽的な絵がある。ゴッホをごそっともっている
オランダのクレラー=ミュラーに展示されている‘シャユ踊り’。

キラキラした光が体で感じられるのに音が聞こえてこない海景画は魅力いっ
ぱい。全点制覇を狙っている。一番多くもっているのはNYのMoMA、‘グラヴ
リーヌの夕暮れの運河’など4点ある。オルセーの‘ポール=アン=ベッサン、
満潮時の外港’もぐっと惹きつけられる。額縁まで点描にしてしまうのだから
点描へのこだわりは半端でない。

32歳で亡くなったスーラのあとをついで点描画に精を出したシニャック
(1863~1935)は10年間地中海の港町サン=トロペで過ごし、海景
画を数多く描いた。スーラとは対照的にシニャックは‘動’の風景画、‘マルセ
イユ港の入り口’はピンクや青のモザイクのような点々はまばゆいくらいに輝
いている。

レイセルベルへ(1862~1926)の‘舵をとる男’に200%参っている。
この浮世絵の描き方を吸収したダイナミックな構図が目に焼きついている。
いろいろな画家が思い浮かぶ。遠くの帆船はジェリコーの‘メデューズ号の筏’
をイメージするし、大きくうねる波濤は荒々しい海の絵を得意としたアメリカ
のホーマーがダブってくる。


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