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2019.06.08

美術館に乾杯! ルーヴル美 その十六

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     レンブラントの‘バテシバの水浴’(1654年)

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     レンブラントの‘皮を剥がれた牛’(1655年)

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     フェルメールの‘レースを編む女’(1670年)

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    ハルスの‘リュートを弾く道化者’(1626年以前)

ヨーロッパやアメリカの名の知れた美術館を訪ねるとレンブラント
(1606~1669)に出会うことが多い。だから、美術本に載って
い主要作品はかなりみることができた。ボス、ブリューゲル、カラヴァッ
ジョほどコンプリートにこだわっていないが、今はあと3点くらいで済
マークがつくところまできている。

ルーブルには7点くらいあるが、強く印象に残っているのは‘バテシバの
水浴’、レンブラントが描く裸婦は光が部分的にあたった暗い空間にその肢
体を浮き上がらせるという演出によって物語性を深めている。ダヴィデ王
にみそめられたバテシバの姿はどこか運命の流れに身をまかすしかないと
いう諦めの境地。この感情表現がすばらしい。

‘皮を剥がれた牛’はレンブラントの作品のなかでは異色の一枚で、強い衝撃
波が体にむかってくる。レストランの厨房を連想させる解体された牛に目
が向いたのは何がきっかけだったのだろうか。この絵とすぐ重なる絵があ
る。それはエコール・ド・パリのスーチンが描いた‘皮を剥がれた野うさ
ぎ’や同じように棒につるされた‘牛肉と子牛の頭’、スーチンはレンブラント
の絵をみたにちがいない。

昨年12月から今年1月にかけて上野の森美で開催されたフェルメール展
には大勢のファンが押し寄せた。今回はルーブルの2点はお呼びがかから
なかった。小品の‘レースを編む女’と‘天文学者’が飾られているのは館内で
はあまり混んでないリシュリュウ翼の3階のオランダ絵画のところ。静か
にじっくりみれるのでフェルメール(1632~1675)の名画をみる
にはうってつけの鑑賞空間である。‘レース編みの女’で目が点になるのは
クッションからでている糸の色彩。粘り気をおびた白と赤が異様に輝いて
いる。

古典絵画では悲しんだり苦痛に顔をゆがめる人物はでてきても笑っている者
はまず描かれない。このスタイルに変化がおとずれるのはカラヴァッジョが
笑う少年をアモールに見立てて描いた‘勝ち誇るアモール’あたりから。これに
続いたのはオランダのフェルネールやフランス・ハルス(1580~
1666)たち。‘リュートを弾く道化者’ははじける笑顔がミラーニューロン
を刺激する。

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