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2019.06.14

美術館に乾杯! ルーヴル美 その二十二

Img_0001_82   コローの‘モントフォンテーヌの想い出’(1864年)

 

Img_0002_76     ドービニーの‘沼、ロンプレの近く’(1870年)

 

Img_0003_75      ミシャロンの‘滝、ティヴォリ’(19世紀初頭)

 

Img_86     フリードリヒの‘カラスの木’(1822年)

 

ルーヴルで絵画を見る場合、限られた鑑賞時間をドゥノン翼、リシュリュ
ウ翼、シェリー翼にどう割り振るかはあらかじめ決めておく必要がある。
そうしないと、作品の数が多いため一点々の見方が散漫になり感激度が薄
れる。ルネサンス絵画を中心にみるならメインストリートのドゥノン翼の
2階に居座るのが無難。団体ツアーで入館するときはだいだいこのコース
が多い。

フランスの画家が描いた作品を堪能するオプションを選択した方は動きま
わる範囲が広くなる。ドラクロワの‘民衆を率いる自由の女神’やダヴィッ
ドの‘ナポレオンの戴冠式’などをドゥノン翼の大展示室でみたあとはすぐ
シェリー翼の3階に移動し正方形の建物をぐるっと一周すると人気の
ラ・トゥール、華やかなロココ絵画やシャルダン、アングル、ドラクロワ、
ジェリコーのパート2が楽しめる。

コロー(1796~1875)の風景画がみれるのはピラミッドの入口の
前方にあたる部屋。2008年と2010年、ここをまわったはずなのに
詩情あふれる光景に心を癒される‘モントフォンテーヌの想い出’をみたと
いう実感がない。この絵をじっさいにみたのは2008年にあったコロー
展(西洋美)でのこと。ルーヴルではラ・トゥールの部屋からスタートし
たので、コローにたどり着いたころは鑑賞エネルギーが無くなっていた
のかもしれない。そうでなければ霞がかかる池の手前に描かれた枝ぶりが
しっかりした大きな木と幸せそうな母子を見逃すはずがないのだが、、

今月のはじめ、新宿でみたドービニー(1817~1878)の‘沼、ロン
プレの近く’は日本で開催された展覧会でお目にかかった。こうして師匠の
コローの絵と並べてみると画風がよく似ている。川の光景をとらえるの
はこういう横に長い画面がもってこい。なんだか川に沿って歩いているよ
うな気がする。

ミシャロン(1796~1822)の‘滝、ティヴォリ’は3年間ローマに
滞在しイタリアの自然を写実的に描く技術をみがいた成果がよく出てい
る作品。滝が勢いよく岩を流れ落ちる様子がダイナミックに描写されて
いる。海上の波の動きや川の水を描くのは大変難しいが、才能に恵
まれたミシャロンは水しぶきから立ち上る蒸気まで描いて驚かす。

ドイツ・ロマン派のフリードリヒ(1774~1840)の絵はドイツ
以外の美術館ではほとんどみることがないので、ルーヴルで遭遇した
‘カラスの木’は貴重な体験。退廃的な面と静寂をきわめる神秘的な雰囲気
が入り混じる画面はどこか気になる。フリードリヒ展にめぐりあうことを
密かに願っているが、今のところその気配はまったくない。

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