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2019.06.10

美術館に乾杯! ルーヴル美 その十八

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     ブーシェの‘ディアナの水浴’(1742年)

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     フラゴナールの‘かんぬき’(1780年)

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     シャルダンの‘食前の祈り’(1740年)

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     シャルダンの‘桃の籠’(1768年)

フランスのベルサイユ宮殿物語からすぐ思い浮かぶ人物は太陽王のルイ14
世、ルイ15世の籠姫ポンパドゥール夫人、そして首を刎ねられたマリー・
アントワネット。18世紀、宮廷文化に花開いたロコロ絵画の寵児となった
ブーシェ(1703~1806)のパトロンだったのがポンパドゥール夫人。
もちろんルーヴルにも夫人の肖像画が飾られているが、ブーシェの作品で
最も惹かれるのは‘ディアナの水浴’。

裸婦図や女性画の鑑賞には大きなエネルギーを割いてきたが、このディアナ
は眩しいくらい甘美で優しい。ブーシェの描く女性はとてもピュアな感じで
天真爛漫な感情に満ち溢れている。官能的なイメ―ジではない。ギリシャ
神話にでてくる狩人の女神ディアナは本来怖い存在。水浴の場面を王子アク
タイオンに見られたのに逆上し、王子を牡鹿に変えてしまう。でも、この絵
からはそんな激しいリアクションがおこることは想像もできない。だから、
左足を右の太ももにのせて従者をみつめるディアナをじっとみてしまう。

ブーシェの30年後に生まれたフラゴナール(1732~1806)はロン
ドンのウォレス・コレクションでみた代表作‘ブランコ’(1767年)が
一生の思い出。この画家は愛に燃える男女を芝居の一場面を演じている役者
のように描くのが得意。若い貴族がブランコを揺すぶっている美女に下から
求愛のポーズをみせたり、‘かんぬき’ではベッドの前で寄りかかる女性を左手
でぐっとかかえながら右手はぬかりなくドアにかんぬきをかけている。
これほど芝居がかっているとつい心がザワザワしてしまう。絵画にはいろん
楽しみ方がある。

9年前三菱一号館美でワールドクラスのシャルダン(1699~1779)
の回顧展が開かれた。このときルーヴルからも出品された。お気に入りは
‘食前の祈り’。立ち姿のお母さんが2人の娘をみつめるやさしいまなざしが
じつにいい。同世代のブーシェが‘ディアナの水浴’やポンパドール夫人の
肖像を描いていた頃、シャルダンはこんな庶民の生活のひとこまに筆を走
らせていた。

静物画でぞっこん参っているのはカラヴァッジョとシャルダンとセザンヌ。
シャルダンの‘桃の籠’も大変魅了される。コップの水とテーブルの端から下
に落ちそうにみえるナイフの質感描写がどこかカラヴァッジョを連想させる。

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