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2019.06.09

美術館に乾杯! ルーヴル美 その十七

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     リゴーの‘ルイ14世の肖像’(1701年)

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     ヴァトーの‘シテール島の巡礼’(1717年)

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     ジェラールの‘プシュケとアモル’(1798年)

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     ピコの‘アモルとプシュケ’(1817年)

肖像画はときにその人物の権力そのものになる。それを実感させるのが
リゴー(1659~1743)が描いた‘ルイ14世の肖像’。こういう絵は
たいてい馬鹿デカく、画面の高さは2.77mある。だから、すっと通り
過ぎるわけにはいかず、足の先から頭のてっぺんまでしげしげとみてしま
う。太陽王はバレエを習っていたので若者のようにきれいな足に描かれて
いる。そして、王は人と会うときはいつも頭には15センチあるカツラを
かぶり11センチの靴を履いていた。

ヴァトー(1684~1721)はフランス絵画のなかでは二重丸がつく
画家。新しいジャンル‘雅宴画’の象徴ともいえるのが‘シテール島の巡礼’。
‘西洋絵画名画シリーズ’には欠かせないピースだから、はじめてのルーヴル
では夢中になってみた。シテール島は恋人さがしで若者たちが巡礼すると
ころ。よくみるとすでにカップルはだいぶできている。この絵だけでな
ヴァトーの絵ではどういうわけか宴を楽しむ男女たちの半数が後ろ向きに
描かれている。そのため、皆がいる森などの空間が広くみえる。うまいこ
とを考えた!

新古典主義のジェラール(1770~1837)の‘プシュケとアモル’は
小学6年の子どもが演劇会の舞台でポーズをとっている感じ。目がむかう
のがアモルのリアルに描写された翼と美貌が際立つプシュケの頭の上に
飛んでいる蝶々。これをそのまま大理石彫刻にすると注文が殺到するのは
まちがいない。

これに対し、同じモチーフで描いたピコ(1786~1868)の絵は
プシュケ物語をよりイメージできる構成になっている。ここではアモルは
眠っているプシュケの寝床を気付かれないように離れるという設定。ジェ
ラールの描いたプシュケに較べるとピコは官能性を強めている。これでは
少年ぽいアモルとのあいだには愛が生まれようがない。バランスが悪す
ぎる。


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