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2019.06.28

美術館に乾杯! オルセー美 その八

Img_0001_20190629003601     アンリ・ルソーの‘蛇使いの女’(1907年)

 

Img_0002_20190629003701     ルソーの‘戦争’(1894年)

 

Img_0003_20190629003801    ムンクの‘オースゴールストラントの夏の夜’(1904年)

Img_0004_20190628221401     ドランの‘チャリングクロスの橋’(1906年)

 

2013年、NYを旅行し久しぶりにMoMAを訪問した。20年前とくら
べて展示作品がかなり変わっていたが、ショックだったのが再会を楽し
みにしていたシャガールのあの有名な‘私と村’がなかったこと。これにか
わって大勢の人がみていたのがアンリ・ルソー(1844~1910)
の‘夢’。時代が変わりルソーが好きな若い人たちがどんどん増えている
ことを実感した。

‘夢’の3年前に制作されたのが‘蛇使いの女’。このジャングル画2点が
ルソーの最高傑作。ともに大作なので見ごたえがある。多彩な緑のグラ
デーションを使って描かれた熱帯の神秘的な森のなかに片や裸婦がソフ
ァーに横たわり、片や不気味な姿をした蛇使いの女が笛を吹き蛇を踊ら
せている。これほど完成度の高い絵に到達したルソーに対し、遠近法が
描けない画家と軽く扱うのはまったく相応しくない。この‘蛇使いの女’
はスーパー画家の証。

1894年に描かれた‘戦争’はルソーにしては異色の作品。インパクト
の強い作品で白い服を着た少女が乗る馬のおもいっきりのばされた胴体
にハッとするだけでなく、くちばしに赤い血を染めた黒い鴉の集団に
も背筋が寒くなる。場面の下に無造作に置かれた上半身あるいは全身
裸の男女の死体が戦争の悲惨さ怖さを物語っている。

昨年わが家はムンクイヤー、ノルウェーのオスロ国立美と東京都美で
ダブル‘叫び’に遭遇するという幸運に恵まれた。ムンクが滞在したパリ
で1904年に開かれた独立展に出品された‘オースゴールストラント
の夏の夜’はノルウェーのフィヨルドをみたのでより関心が深まった。
オースゴールストラントはオスロから南へ60㎞のところにある小さ
な漁村。ムンクにとってお気に入りの避暑地だった。‘夏の夜’に描か
れた木々を表す大きな緑のかたまりは国立美で魅了された‘橋の上の
少女たち’にもでてくる。

表現主義のムンクとフォーヴィスムは色彩を強く前面にだすという点
で結ばれている。アンドレ・ドラン(1880~1954)の‘チャ
リングクロスの橋’は目に心地いい明るい黄色と青の色使いと道路を
ぐっと曲げて動きを表現する構成にほとほと感心させられる。ドラン
もムンク同様、色彩の力が絵画に命を吹き込むことを教えてくれる。

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