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2019.06.12

美術館に乾杯! ルーヴル美 その二十

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   ドラクロワの‘民衆を率いる自由の女神’(1830年)

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      ドラクロワの‘ダンテの小舟’(1822年)

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   ジェリコーの‘メデュース号の筏’(1819年)

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    ジェリコーの‘エプソンの競馬’(1821年)

フランス絵画の大作がずらっと展示されているドゥノン翼の2階へ足を運ん
でもっとも感激するのはロマン派のドラクロワ(1798~1863)が
7月革命を描いた‘民衆を率いる自由の女神’。三色旗を振りかざす女神が勢い
のある姿で力強く表現され、脇で短銃を上にあげる少年と左にいる銃をもつ
黒い帽子の男(ドラクロワの自画像)が女神と一緒につき進む。革命の熱気
をこの三角形の構図に凝縮させる構成力が見事。この絵をみるたびに自由
を勝ちとるフランスの民衆のパワーは本当にスゴイなと思う。

1822年ドラクロワがサロンにはじめて出品した‘ダンテの小舟’もお気に
入りの作品。小舟に乗るダンテとウェルギリウスは地獄に落とされ奇怪な
風貌をした亡者たちに囲まれ恐怖心がつのる。ダンテだけでなく見てるわれ
われもこんなおぞましい光景に何度も遭遇しないようウエルギリウスに手を
あわせてしまう。

フランスのロマン主義絵画はドラクロアより7歳年上のジェリコー(1791
~1824)からはじまった。心を打つのは傑作‘メデュース号の筏’。‘ダン
テの小舟’はこの絵の構図や色調から影響をうけている。画面は縦4.9m、
横7.1mの大きさ。ご承知のように1816年実際におこったフランス
海軍の海難事故にもとずいて漂流を余儀なくされた筏の乗組員の情景が描か
れている。筏の上にいるのは死体を含めて20人。はじめは147人いたが、
救助されたときは15人しか生存してなかった。こういう時事ネタを絵に
するというのはジェリコーの画家としての感性。まさに腹にしみる絵とは
このこと。

競馬の光景を絵にした画家というとすぐドガやマネが思い浮かぶがジェリコ
ーの‘エプソンの競馬(1821年のダービー)’も忘れられない。前足と後
足が水平にのびるほど疾走する馬の躍動美がすばらしい。幼少のころから馬
が好きだったジェリコーはなんと落馬して32歳で亡くなった。惜しい!

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