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2019.05.21

美術館に乾杯! ルーヴル美 その六

Img_0003_55      ファン・エイクの‘ロランの聖母子’(1435年)

 

Img_0002_58      フーケの‘シャルル7世の肖像’(1445年)

 

Img_0001_61      ボスの‘愚者の船’(1500年)

 

Img_63      ブリューゲルの‘乞食たち’(1568年)

 

画家との相性度のでき方というのはいくつかのパターンがある。ダ・ヴィンチ
やボッティチェリ、ラファエロといった美術の教科書に必ず載っているような
画家だとすぐ作品を覚えるし、鑑賞の機会を求めるようになる。こういう画家
との接触をベースにお好みの画家ファイルがふくらんでいくが、知名度の低い
画家の場合、はじめの印象はそれほど強くないことが多い。ところが、みる作品が増えていくにつれだんだん嵌っていくことがある。

北方の画家、ファン・エイク(1390~1441)の‘ロランの聖母子’にお目にかかったとき、それほどグッとこなかった。理由ははっきりしている。幼子キリストの顔が爺さんのようみえたから。そして、左の人物、ロランの神経質そうな表情も辛気臭かった。そのため、右上でマリアの冠を持ち宙を漂っている天使の鮮やかな羽をじっくりみる余裕がなかった。冠にしろ羽にしろ精緻に描かれていることを知ったのは2回目以降の対面のとき。そのころにはほかの美術館で体験したファン・エイクの超絶技巧に魅了されていたので、聖母子のむこうに細かいところまで描き込まれた風景描写にも目がいくようになった。

ロワール河畔の町トゥールに生まれたジャン・フーケ(1420~1481)
の絵をみたのはほんの数点。アントワープ王立美にある‘聖母子と天使たち’には仰天した。キリストに授乳するために聖母は左胸をあらわにしている。
マリアをこんな風に描いていいの?そして2つめのサプライズがまわりにいる
天使たち。みんな頭のてっぺんから足の先まで真っ赤。赤のペンキの入った大
きな風呂桶にどぼんとつけたような感じ。この絵に較べると‘シャルル7世の
肖像’は落ちついてみれる。一見するとファン・エイクの描いた宰相ロランと雰囲気が似ている。ロワール川流域では北方出身の画家が活躍していて、フーケはその細密描写の影響を受けていた。

ルーヴルには何でも揃っているところが西洋絵画の殿堂の証。ボス(1450
~1516)の‘愚者の船’とブリューゲル(1525~1569)の‘乞食たち’が目の前に現れると嬉しくなり見入ってしまう。ともに作品の数が少ないから貴重な鑑賞機会である。

 

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