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2019.04.30

美術館に乾杯! サン・ロッコ同信会館

Img_0006      ルネサンス様式のファサードをもつサン・ロッコ同信会館

 

Img_43      ティントレットの‘磔刑’(1565年)

 

Img_0001_39      ‘岩から水を湧き出させるモーセ’(1575~77年)

 

Img_0005_4      ‘キリストの昇天’(1575~77年)

 

Img_0003_35      ‘受胎告知’(1582~87年)

 

Img_0002_39      ティツィアーノの‘受胎告知’(1540年)

イタリアルネサンス芸術はフィレンツェの美術館や教会をまわると感動袋が
パンパンに膨れ上がるほど堪能できるが、ほかの街にもサプライズの絵画が
数多く存在している。とくにヴェネツィアにまで足をのばすと二つ目の感動
袋も大きくなることは請け合い。でも、ヴェネツィア派の画家については
最初戸惑いがある。ティツィアーノ(1485~1576)とティントレッ
ト(1519~1594)はよく似た名前なのでどっちの作品か曖昧なとこ
ろがあった。

それがだいたい解消されたのがアカデミア美に行き、ティツィアーノの‘聖母
被昇天’が飾ってあるフラーリ教会とすぐ近くにあるサン・ロッコ同信会館
をまわったとき。サン・ロッコでは内部の壁と天井がティントレットの巨大
な絵画で埋め尽くされている。画家は晩年の23年をこの同信会の絵画に
捧げた。その数なんと67点。これほど多くティントレットをみたら描き方
の特徴や魅力がだいぶのみこめてくる。

描かれているのはモーセの物語やキリストの犠牲と復活、そのなかで最も
圧倒されるのは横が12mもある大作、‘磔刑’、画面のどこをみても人々が
激しく動いている感じがするので映画でクライマックスシーンをみている
よう。言葉を失い、興奮してみていた。この絵は一生の思い出になる。

天井画の‘岩から水を湧き出させるモーセ’は大きなカーブをつくって下に落
ちていく水の間にモーセを描く構図が憎いほどよくできている。モーセ
マジックが事態を好転させ水を渇望していた民はこれで一息つける。男も
女も必死に水の落ちる軌道に壺をもっていき満杯にしている。

‘キリストの昇天’はこれぞティントレット!キリストに随伴する天使たちの姿はまるで大宇宙で船外活動をする宇宙飛行士。手を大きく広げ横や斜めの方向に体をよじりながら進む光景はほかの絵では決してみられない。こういう動きがあると視線は昇天するキリストより天使のほうにむかう。脇役が主役を食ってしまった。

ここには2点の‘受胎告知’が展示してある。ともに大天使ガブリエルは宙を舞っているが、ティントレットの描く大天使はもっとダイナミックの体を曲げさらに幼い天使たちをたくさん引き連れている。その勢いのあるこどもの群れに目が点になる。これにはマリアもびっくりしただろう。‘ど、どうしたの!みなさん、何事ですか?’  

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