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2019.04.22

美術館に乾杯! ウフィツィ美 その九

Img_35      カラヴァッジョの‘バッカス’(1598年)

 

Img_0002_32  ワインのデカンタに描かれた自画像(‘美の巨人たち’今年1月の番組より)

 

Img_0001_31    ジェンティレスキの‘ユデイトとホロフェルネス’(1620年)

 

Img_0003_27     レーニの‘勝ち誇るダヴィデ’(1603~04年)

 

Img_0004_15      ホントホルストの‘キリストの降誕’(1620年)

 

ローマでたくさん楽しめるカラヴァッジョ(1571~1610)、フィレンツェではウフィツィに3点、ピッテイ美に1点ある。このなかで人気の絵はウフィツィの‘バッカス’、3年前西洋美で開催された回顧展にやって来た。バッカスはネタの多いギリシャ神話の欠かせないピースだから古来から描き継がれてきた。

ところが、カラヴァッジョの描くバッカスはイタリアの高校生がバッカス祭りのイベントに参加しているような感じ。この生感覚の人物をモデルに使い重苦しい宗教画をすっと入っていける風俗画に仕立てるところがカラヴァッジョ流。この絵をTV東京の‘美の巨人たち’が今年1月取り上げていた。ハイライトはワインのデカンタに密かに描き込まれた自画像。回顧展のときも話題になったが、高性能カメラがこちらに顔をむけるカラヴァッジョ(白い風船のようなものの右隣)を映し出していた。

カラヴァッジョの生みだした光と影の強烈なコントラストや画面いっぱいに描く手法などを模倣する画家たちが多く現れた。そうしたカラヴァッジェスキのなかでカラヴァッジョ以上に暴力性の強い絵を描いたのが女流画家のジェンティレスキ(1593~1652)、‘ユディトとホロフェルネス’は心臓がとまるほどドキッとする。光によって浮かび上がるユディトに首を斬られるホロフェルネス、鮮血が飛び散る生々しい描写はあまり長くはみられない。

ボローニャのカラッチ一族の画塾で修業したレーニ(1575~1642)は初期の頃カラヴァッジョの影響を受けた。‘勝ち誇るダヴィデ’はルーヴルにあるヴァリアントだが、びっくりするのがダヴィデが打倒したゴリアテの首のデカさ。ダヴィデは‘ゴリアテの大将さん、若造と思って甘く見るとこういうことになるんだからね、俺だって勇気を出して死ぬ気で戦ったんだ’とかなんとかつぶやいているのだろうか。

オランダのユトレヒト生まれのホントホルスト(1592~1566)はジェンティレスキ同様お気に入りのカラヴァッジェスキ。日本にも時々いい絵がくる。例えばエルミタージュの‘幼少期のキリスト’、そしてカラヴァッジョ展にウフィツィから出品された‘キリストの降誕’、この絵は現地でみてないので大きな収穫だった。

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