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2019.04.19

美術館に乾杯! ウフィツィ美 その六

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 コジモの‘ペルセウスに救われるアンドロメダ’(1510年)

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  コレッジョの‘幼いキリストを礼拝する聖母’(1530年)

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  ブロンズィーノの‘ルクレツイア・パンチアテイキの肖像’(1540年)

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     パルミジャニーノの‘長い首の聖母’(1534年)

絵画の表現様式に時代の空気が大きく影響していることは間違いないにして
も、描き方やモチーフの扱いがそうした枠組みとは離れ独自の表現に没頭
する画家が共存する。ダ・ヴィンチより10年後に生まれたピエロ・デ・
コジモ(1461~1521)はそんなタイプの画家。一度見たら忘れられ
ないのが‘ペルセウスに救われるアンドロメダ’。

この絵の主役は異時同図法によって姿が2度描かれる英雄ペルセウスでも左
の岩の木にくくりつけられている美女アンドロメダでもなく、中央にいて
よだれをたらしている怪物。どういう種本から生み出したのかこの怪物、蛇
を思わせる尻尾とワニのような手足、そして口からは2本の鋭い牙がでて顔
はマントヒヒのよう。このグロテスクさなら現在のホラー映画からも声がか
かりそう。コジモは動物が好きだったのだろう。ほかの作品では画面全体が
動物園になったようなものがある。

ウフィツィにはルネサンスのあとに生まれたマニエリスム様式で名を残した
画家の絵がたくさんある。サルト、フィオレンティーノ、ポントルモは好み
でないのでいつのさっと通りすぎるが、ブロンズィーノ(1503~
1572)とパルミジャニーノ(1504~1540)にはどうしても足が
とまる。最も数が多いブロンズィーノは高貴な一族の肖像画の名手でコジ
モ1世の妻を洗練された技巧で描いている。これもいいのだが、ぐぐっと
惹きこまれるのが‘ルクレツィア・パンチアティキの肖像’。衣服や装飾品の
緻密な質感描写はアングルの女性画を連想させる。

一方、パルミジャニーノはマニエリスムたっぷりの‘長い首の聖母’はとても
いい。聖母の長い首ばかりみているとすぐ飽きてしまうが、おもしろいの
は左に密集して立っている天使たち。狭い空間に5人いるが、みな目が生き
生きしている。この脇役の描き方でいっぺんにこの画家のファンになった。

北イタリアの小さな町パルマで生涯をすごしたコレッジョ(1489~
1534)に関心を持ち続けている。これまで大きな感銘を受けたのはドレ
スデン美にある‘羊飼いの礼拝’とここの‘幼いキリストを礼拝する聖母’。バロ
ックを先取りするかのような光と影の扱い方が心を揺すぶる。そして、じっ
と見入ってしまうのが聖母の優しい顔。心底魅了されている。

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