美術館に乾杯! オリンピア博
オリンピア遺跡‘ゼウス神殿’(右)の後方が‘スタジアム’、‘ヘラ神殿’(左)
ペロポネソス半島の西にあるオリンピア遺跡で美しい女優が聖火リレーの火を太陽の光からとりだす恒例の儀式がTVのニュースで映し出されるたびに、ここを訪れて本当によかったなと思う。
紀元前776年からはじまった古代オリンピックはゼウス神殿の後方にあるスタジアムで行われた。トラック一周は192m、今もゴールラインが残っている。そして、観客席は3万人収容できた。
オリンピア博のみどころのひとつがゼウス神殿の東側と西側の破風を装飾していた彫刻群。西側は‘ラピタイ人とケンタウロス’が描かれている。中央にいるのはアポロンでその右が‘ケンタウロスと戦うテーセウス’、人間の上半身と馬の足をもつケンタウロスは荒くれで好色。
婚礼の酒宴が進むとすぐケンタウロスは本性をだしラピタイ人の花嫁にちょっかいをだす。こうなるともう収拾がつかない。ラピタイの男たちとケンタウロスは大乱闘。英雄テーセウスもケンタウロスを退治するのに一役買う。
ゼウス神殿の前室と後室の上部にほどこされたレリーフに描かれたのは‘ヘラクレスの12の難業’、そのひとつが‘黄金のりんご’。真ん中が球を背負うヘラクレスで右がヘラクレスに代わって黄金のりんごをとってきたアトラス。
紀元前4世紀中頃の大彫刻家プラクシテレスの作品はヘレニズム時代に模刻されたものが多いが、この幼児のディオニュソスを抱くヘルメス像は唯一残る原作とみなされている。ヘラ神殿で発見された。彫刻好きならこれをみるだけでもここへやって来る価値があるかもしれない。
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