美術館に乾杯! ペルガモン博 その一
ベルリンを観光したのは2003年。自由行動の時間がなかったので数多くある美術館のなかで出かけたのはペルガモン博のみ。館内に入って度肝を抜かれたのはトルコ・ペルガモンのアクロポリスに建っていた大祭壇がなんと再現されていたこと。
この大祭壇が完成したのは紀元前2世紀の中頃。この年の2年前トルコを周遊したときペルガモンにも寄り、トロヤヌス神殿、円形劇場などをみたが、大祭壇があった場所には5段の基壇が残っていた。そのイメージを膨らませることがベルリンで実現した。実際に旧ペルガモン博に大祭壇が復元されたのは1901年のこと。
大祭壇(35m四方)の東西南北の各フリーズに描かれているのはギリシア神話にもとづきゼウスと神々が巨人族と戦い勝利するまでの様子。ヘレニズム期の彫刻はローマのヴァチカン博にある‘ラオコーン’のように、男性は筋肉隆々で勝者、敗者が入り混じる戦いの構成ではひねりの入った人体表現もあり、戦いの激しさや悲哀が顔の表情にリアルに出ているのが特徴。
とくに見ごたえのあるのが東のフリーズ、‘ゼウス群像’では左から2番目が力をみなぎらせて立っているゼウス。‘アテナ群像’は巨人アルキオネウスと戦うアテナの強さが目立つ。髪をつかまれた巨人の胸に蛇が噛みついているが、‘ラオコーン’がダブった。同じく東フレーズにある‘戦うヘカテ’と‘アルテミスと敵’の動きのある描写にも惹きこまれる。
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