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2019.02.25

‘奇想の系譜展’!

Img_0002     伊藤若冲の‘旭日鳳凰図’(1755年 三の丸尚蔵館)

Img_0001     狩野山雪の‘梅花遊禽図襖’(重文 1631年 京都・天球院)

Img_0003     長澤芦雪の‘花鳥図’(18世紀)

Img  鈴木其一の‘百鳥百獣図’(1843年 エドソン・コレクションン)

現在、東京都美で開かれている‘奇想の系譜展’(2/9~4/7)をみてきた。この日はまず上野へ行きそのあと六本木という段取りだったが、森アーツセンターの‘新・北斎展’の大盛況ぶりに較べると奇想展の熱気はだいぶ下回る。

伊藤若冲(1716~1800)を軸にして‘奇想の画家’が集結してるよ、と連呼したって、若冲にしろ長澤芦雪(1754~1799)にしろ贔屓の絵師の回顧展が開催されれば足を運んでいるのだから、それほど新鮮味はない。いまさら奇想派でもないだろういうのが率直な感想。奇想ボケした主催者には北斎展、暁斎展に足を運ぶ日本美術ファンの気持ちがわからないだろう。

何度見ても心を奪われるのが若冲の‘旭日鳳凰図’、‘動植綵絵’の画面のサイズよりひとまわり大きいため大女優のような風格をそなえた鳳凰が目に眩しく映る。おもしろいことに鳳凰は雄と雌のペアで描かれているのに視線がむかうのは尻尾を高くあげ体を大きくみせている雌ばかり。左にいる雄に気づかず隣へ移動しそう。

狩野山雪(1590~1651)の‘梅花遊禽図襖’は天球院でみたことがあるので思い入れが強い。こういう風に枝をやけっぱちに曲げる梅の木が実際にあるのか知らないが、山雪は強風などで折れた枝のイメージがありこの形を創作したのだろうか。京博であった山楽・山雪展に出品された‘龍虎図屏風’や‘四季耕作図屏風’とも再会できたのでいうことなし。ダイナミックにうねる波の描写は山雪と曾我蕭白(1730~1781)の強いつながりを伺わせる。

今回初見の作品で収穫だったのは芦雪の‘花鳥図’とアメリカから里帰りした鈴木其一(1796~1858)‘百鳥百獣図’。‘花鳥図’の上の鳥の描き方は師匠である応挙の‘薔薇文鳥図’を意識しており、下半分の錦鶏とお得意の雀と組み合わせてすばらしい花鳥図を仕上げた。芦雪には六曲一双の‘百鳥図’という傑作があるが、‘花鳥図’はこれと同じくらい魅了される。

東京都美にでかけたのはじつは其一の絵をみるためだった。チラシでみて気になってしょうがなかった。縦長の2枚の画面は鏡あわせになっていて、上の滝を落ちてきた水の流れのまわりに鳥と獣が所狭しと描かれている。注目は左下の白象。其一はどの象の絵をみたのだろうか。ひょっとしてほぼ同時代を生きた国芳の象?

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