美術館に乾杯! ヴァチカン博 その六
ルネサン美術に魅了されるとイタリアのなかをあちこち動かないと思いの丈が叶えられない。まずめざすのはフィレンツェとローマ。フィレンツェではボッティチェリ(1445~1510)、ラファエロ(1483~1520)、ダ・ヴィンチ(1452~1510)の絵画とミケランジェロ(1475~1564)の彫刻を目に焼きつける。
次に向かうのはローマ、お楽しみはラファエロの大壁画の連作とローマ観光の目玉、システィーナ礼拝堂に描かれたミケランジェロの天井画‘天地創造’と正面の祭壇側の壁画‘最後の審判’。一回目のツアー旅行ではこれくらいみると感動袋はもうパンパンになる。でも、もうひとつ見落とせない絵がこの礼拝堂にはある。
‘天地創造’の物語を視線を動かしひと場面々首が痛くなるほどながめていると1時間くらいはすぐたってしまう。そのため、祭壇に向かって左右の壁にモーゼとキリストの物語が各6面ずつ描かれていることに気づかず外にでてしまう。われわれもボッティチェリやギルランダイオ(1449~1494)、ペルジーノ(1448~1523)らによって仕上げられた12面の絵をじっくりみたのは3度目の訪問となった1999年のこと。
この絵画装飾でプロジェクト・リーダーの役割を果たしたのは‘鍵を手渡すキリスト’など3面を描いたペルジーノ、そしてボッティチェリも‘モーゼの生涯のできごと’など3面に腕をふるった。贔屓のボッティチェリの絵だから夢中になってみた。
画題として興味をひくのはロッセッリの‘紅海を渡るモーゼ’、すぐ映画‘十戒’で海が割れるシーンを連想した。ギルランダイオの‘最初の使徒のお召し’で描かれているのはガリレア湖の漁夫がキリストに弟子入りする場面、奥にのびる湖の描写と安定感のある構図に大変魅せられた。
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