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2019.02.13

美術館に乾杯! バロック・イリュージョン (2)

Img     イエズス会の総本山 ジェズ聖堂

Img_0003     ポッツォの‘聖イグナティウスの祭壇’(1696~1700年)

Img_0001  ポッツォの‘カフェ・プロフェッサの回廊の壁画’(1682~86年)

Img_0002     真近でみるとゆがんでいる壁画

Img_0004     ボッロミーニの‘プロスぺトカの間’(17世紀 スパーダ宮)

ポッツォ(1642~1709)が絵画の技法だけでなく数学や建築の知識を総動員してつくった天井画が楽しめるサンティニャーツィ聖堂、運よく2010年2回縁があった。場所がわからず苦労したのは1月のとき。その原因は手元の美術本をみててっきりイエズス会の総本山のジェズ聖堂に行けば天井画をみれると勘違いしたから。

確かに翼廊部にある絢爛豪華な‘聖イグナティウスの祭壇’はポッツォがつくったことは情報とあっているし、世界で最も大きいラピスラズリの玉がどんとすえられている。でも、身廊に描かれた天井画がどうもイメージとちがう。さて、肝心のボッツォのイリュージョンはどこでみれるのか?

そこで、聖堂と同じ敷地内にあるローマの神学校、‘コレッジョ・ロマーノ’に足と運びきょろきょろしていたら入口でもらったパンフレットに載っている‘カフェ・プロフェッサの回廊’が現れた。なにかポッツォの匂いがしてきた。この回廊の天井と壁画はボッツォがローマにやって来て最初に描いたもの。

回廊の天井はかまぼこ型になっているが、実際は天井や壁にはいっさい凸凹がない。ある地点からみると完璧な遠近法になっていて、奥にはあるはずのない部屋があるようにみえる。そして、進んでいくと横の壁から赤ちゃんや男女が飛び出してくる。まさにだまし絵の連続。男女を真近でみると体全体を横にぐっとひきのばして描かれている。

結局、ジェズ聖堂ではお目当ての天井画はみれなかったが、ボッツォの仕掛けたイリュージョンの一端は目にすることができた。ここでいい出会いがあった。一人のイタリア人男性が壁画を模写しており、話をすると本命のサンティニャーツィ聖堂のある場所を教えてくれた。で、喜び勇んで移動した。近くにあるのですぐ到着した。

ローマにはおもしろいだまし絵がもうひとつある。めざしたのはナヴォーナ広場から歩いて10分ちょっとのところにあるスパーダ宮。人数がある程度集まると係員が‘プロスぺトカの間’(遠近法のギャラリー)に連れて行ってくれる。左右に列柱を並べた小規模なギャラリーで遠くの先には小さな兵士の彫像がみえる。

ギャラリーの長さは30m以上あるようにみえるがじつは9mしかない!これはベルニーニ(1598~1680)のライバルだったボッロミーニ(1599~1667)の遊び心によって生まれただましのテクニック。奥に行くほど柱の長さが短くなり、道幅も狭くなっている。錯覚を利用したバロック・イリュージョンの真骨頂がここにある。

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