美術館に乾杯! ヴィッラ・ファルネジーナ
‘キージ礼拝堂のクーポラ’(1516年 サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂)
ローマでは美術鑑賞の幅がとても広い。彫刻ならエトルリア、古代ローマ、ミケランジェロ、そしてベルニーニまで楽しめ、絵画ではシスティーナ礼拝堂の天井画を描いたミケランジェロとラファエロを軸にダ・ヴィンチ、ボッティチェリらルネサンスのオールスター、さらに人気のカラヴァッジョ、カラッチ、レーニ、ボッツォたちの傑作がずらっと揃う。
そのため、そうした作品が飾ってある美術館や教会にみてまわるにはかなりの時間がかかる。美術とのつきあいは長期戦と心得ひとつ々喜びを重ねていくことを胸に刻んでいる。美術館以外の場所は2度出かけたが、ベルニーニとカラヴァッジョをメインターゲットにしていた教会めぐりの合間にラファエロ(1483~1520)もちょくちょく顔をだす。
最も期待を寄せていたのはテベレ川畔にある大銀行家キージの別荘ヴィッラ・ファルネージ(後にファルネージ家の所有となったのでこの名になった)。ここではラファエロの美術本には必ず載っている‘ガラテアの勝利’にお目にかかれる。
フィレンツェのピテイ宮などでうっとりみてしまう聖母子像とは違って、ローマにあるラファエロはどれも画面が大きいので見ごたえがある。この邸宅の壁面を装飾した‘ガラテア’も縦2.95m、横2.25mのワイド画面。視線が集まるの真ん中の女神ガラテアより上で矢を射る天使とガラテアが乗っている貝殻を引っ張っている2頭のイルカちゃん。じつに可愛い!
カラヴァッジョの‘ロレートの聖母’が飾ってあるサンタゴスティ―ノ聖堂でオマケのお楽しみはラファエロの‘預言者イザヤ’。一見するとミケランジェロの天井画を彷彿とさせる。ラファエロはシスティーナ礼拝堂に何度も足を運びミケランジェロの画法を学んだにちがいない。
ポポロ聖堂にはカラヴァッジョが描いた聖ペテロの絵のほかにキージ礼拝堂でベルニーニの彫刻2体とラファエロが指揮をとったクーポラも目を楽しませてくれる。黄金に装飾されたクーポラの天井頂部はモザイクで描かれている。
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