美術館に乾杯! アテネ国立博 その一
西洋の絵画や彫刻などの美術品に興味をもちはじめると時代をどんどん遡って世界各地におこった古代文明の扉をたたいてみたくなる。メソポタミア文明はまだ縁がないが、エジプト、ギリシャ文明は運よくこの目で見ることができた。
ギリシャを旅行したのはちょうどアテネオリンピックがあった2004年の秋。ツアーに参加しアテネ、デルフィ、オリンピア、ミケーネといった定番の観光地をまわった。アテネでのお目当てはパルテノン神殿とギリシャ美術がごそっとみれるアテネ国立博。
アテネがどんな街だったかは覚えているが個々の観光スポットの位置はとなるとあやふや、だからアテネ国立博士のある場所はガイドブックで確認しても、パルテノン神殿からどっちの方向だったかぴたっと決まらない。でも立派な建物の外観と館内のすばらしい彫刻の数々は目に焼きついている。
事前につくった必見リストの一番上に載せていたのはシュリーマンがミケーネで発見した‘黄金のマスク’、王のデスマスクだから金を薄くまで打ち出してつくられた。エジプトのツタンカーメン王の黄金のマスクとは違い静かに目をつむった王の威厳にはリアリティがある。
3年前日本にやって来た‘漁夫’にも心を奪われるが、じつはこのサントリー二島で発展された色鮮やかなフレスコ壁画は展示室が封鎖されていてみれなかった。そのリカバリーが日本で実現したのはこの上ない喜び。だが、有名な‘ボクシングをする少年’がまだ残っている。もう一度ギリシャへ行く機会があるだろうか。
エーゲ海のキュクラデス諸島で発掘された‘竪琴奏者’は‘漁夫’よりもっと古い紀元前2400~2000年につくられた大理石像、そのプリミティブな造形は心を静かに揺すぶり、モディリアーニの彫刻が重なってくる。
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