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2019.01.17

美術館に乾杯! ボルゲーゼ美 その四

Img_0003     ベルニーニの‘プロセルピナの略奪’(1621~22年)

Img_0004      ‘プロセルピナの略奪’のクローズアップ

Img_0006     ベルニーニの‘アポロンとダフネ’(1622~25年)

Img_0002     カノーヴァの‘パオリーナ・ボルゲーゼ’(1805~08年)

事前に予約をとってボルゲーゼ美へ出かける人のなかにはベルニーニ(1598~1680)の大理石彫刻をみるためという美術愛好家が多くいるかもしれない。ここでは生涯の喜びともいえるすばらしい傑作が2点みられる。ベルニーニが23歳から25歳のときにつくりあげた‘プロセルピナの略奪’と‘アポロンとダフネ’。

‘プロセルピナの略奪’をみたときの衝撃度はマグニチュード7の地震にも相当するほどの大きさだった。とくに目が点になったのが冥界の王プルートの指がプロセルピナの肌に食い込む部分の弾力感。まるで軟式テニスのボールをぎゅっと握ったよう。硬い大理石を使って白い肌をこれほど質感豊かに表現できるとは。まさに神業!

もうひとつびっくりすることがある。それは恐怖におびえ抵抗するプロセルピナの頬に流れる涙。ええー、プロセルピナ、泣いてるよ!こんなリアルな人物彫刻はみたことがない。この興奮は当分おさまらなかった。

別の部屋に飾ってある‘アポロンとダフネ’も息を呑むほどの超傑作!キューピッドがいたずらして放った矢を受けて恋に火がついたアポロン。もう貞淑なニンフ、ダフネに一直線。でも、ダフネはそれが迷惑でたまらない。だから、二人の表情が対照的。

穏やかで一途な愛にみちたアポロンに対し、逃げようと恐怖におびえるダフネ。追いつかれた瞬間ダフネは変身の術を使って月桂樹に徐々に姿を変えていく。よくみると手や髪の毛が月桂樹の葉になっている。お馴染みのギリシャ神話がベルニーニの卓越した技量によって立体的に視覚化される。彫刻の力は絵画よりダイナミックで躍動感にあふれている。200%KOされた。

アントニオ・カノーヴァ(1757~1822)の‘パオリーナ・ボルゲーゼ’も長くみていた。1803年ボルゲーゼ家の当主と結婚したナポレオンの妹パオリーナが‘パリスの審判’に勝ったヴィーナスのモデルをつとめている。この作品によって新古典主義の彫刻家、カノーヴァに開眼した。

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