マルセル・デュシャンと日本美術!
‘デュムシェル博士の肖像’(1910年 フィラデルフィア美)
‘階段を降りる裸体No.2’(1912年 フィラデルフィア美)
‘彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも’(1915~23/1980年 東京ヴァージョン)
‘泉’(1917/1950年 レプリカ フィラデルフィア美)
東博では今日まで‘マルセル・デュシャンと日本美術’が開かれていた。10/2から2ヶ月の会期だったこの展覧会は東博とフィラデルフィア美による交流の一環として企画されたもの。チラシの入手が遅れたのでデュシャンと日本美術がどういう風にコラボするのかイメージできなかったが、そのことにこだわらずデュシャン(1887~1968)にだけ専念してまわった。
デュシャンの聖地ともいえるフィラデルフィア美へは2度足を運んだので、デュシャンへの思い入れは相当強い。最初に訪れた2013年は展示室が改築中だったため、数点しかみれず肩透かしを食った。そのコレクションの全貌に接したのは2015年のとき。あの‘与えられたとせよ:(1)落ちる水(2)照明用ガス’もしっかり目に焼きつけた。
今回そのときみたものがほとんどやって来ている。これは太っ腹。ただ、‘与えられたとせよ’と有名な‘彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(大ガラス)’はなく、‘大ガラス’については1980年に制作された東京ヴァージョン(東京大学博物館)が代役をつとめていた。
初期の‘デュムシェル博士の肖像’はぱっとみるとシャガールの画風と似ている。隣に飾ってある‘芸術家の父親の肖像’は以前あったフィラデルフィア美展に登場した。横浜美のデュシャン展(2005年)にも出品された‘階段を降りる裸体N0.2’は明らかにイタリアの未来派を意識している。初登場の‘急速な裸体たちに囲まれるキングとクイーン’も同じタイプの作品。未来派にのめりこんでいるので反応はとてもいい。
絵画以外の作品は‘大ガラス’をはじめとしてよく目にするものがずらっと展示されている。歴史的な作品‘泉’、‘自転車の車輪’、‘瓶乾燥機’、‘櫛’、目がまわりそうになる‘ロトレリーフ(光学円盤)’、、、
まわりに若い外国人がたくさんいた。欧米ではデュシャンの人気は群を抜いて高いことを再認識した。
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