リヒテンシュタイン侯爵家自慢のルーベンスコレクション!
‘エリクトニオスを発見するケプクロスの娘たち’(1615~16年 リヒテンシュタイン侯爵家)
‘マルスとレア・シルウィア’(1616~17年 リヒテンシュタイン侯爵家)
‘クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像’(1615~16年 リヒテンシュタイン侯爵家)
‘ヴィーナス、マルスとキューピッド’(1630年代 ダリッジ絵画館)
上野の西洋美では現在‘ルーベンス展’(10/16~1/20)が開催されている。日本でルーベンス(1577~1640)の回顧展をみるのははじめてのこと。ルーベンスの作品は元来大きなものが多くこれらをもってくるのは大変なことだとわかっているので、これまでは日本の美術館でルーベンスをみることははなから期待していない。
ところが、6年前国立新美にリヒテンシュタイン侯爵家が所蔵するルーベンスの傑作が8点もやって来たあたりから流れが変わってきた。今回西洋美がチャレンジしてくれたルーベンス展には2度目の公開となるリヒテンシュタイン侯爵家のルーベンスコレクションを軸にして海外の美術館などから40点が集結している。
ここはヨーロッパの美術館かと錯覚させるほどすばらしい作品が並んでいるのが最後の部屋。最も魅了されるのがリヒテンシュタイン侯爵家の‘エリクトニオスを発見するケプクロスの娘たち’と再登場した‘マルスとレア・シルウィア’。まさに一級のルーベンス。いろんな事情で日本ではルーベンスの傑作はほとんどお目にかかれないが、ようやくルーベンスの真髄をみてとれる絵が披露された。本当にすばらしい!
そして、ロンドンのダリッジ絵画館から出品された‘ヴィーナス、マルスとキューピッド’の完成度の高さにも惚れ惚れする。ヴィーナスの肌の輝きをみて2010年にプラド美で遭遇したルーベンス展で味わった感動が蘇った。この絵は以前からマークしていたが、ロンドンに行かずにみれるのだから言うことなし。流石、西洋美!
入館してすぐ出迎えてくれるのが‘クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像’、この愛らしい少女の絵も再度お目みえ。じつはリヒテンシュタインのコレクションにはもう一枚みたい肖像画がある。‘ルーベンスの息子アルベルトと二コラ―ス’(1626年)、クララよりこちらを望んでいたが叶わなかった。どうやらウィーンにある館へ足を運ぶしかなさそう。
ほかにもエルミタージュ美やローマのボルゲーゼ美の画集に載っている作品やマドリードからやって来た大作‘聖アンデレの殉教’などが飾られている。もういちど出かけるかもしれない。
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コメント
御旅行か なと、思ってました。
私は、リヒテンシュタインのファドゥーツのリヒテンシュタイン美術館にもいった事があります。
ウィーンのと違うんですね。喜び勇んで入館しましたがルーベンスはいませんでした。
現代美術館でした。
日本語では同じですが、
ドイツ語では区別できる私立と国立のようです。
ウィーンのにも行きたいです。
又 よろしく。
投稿: Baroque | 2018.12.09 17:38
to Baroqueさん
1カ月もパソコンが使えないと生活のリズムが
狂ってしまいます。情報が入らないのが一番
ツラいです。
次にウイーンに行く機会があればシーレの絵を
みて街の中心からちょっと北に位置するリヒテ
ンシュタイン侯爵家の館でルーベンスを楽しむ
ことを今から決めてます。
Baroqueさんはリヒテンシュタインに行かれ
ましたか。手元の古い美術書にはここにルー
ベンスの絵があることになってますが、現在は
すべてウイーンのほうに移したのでしょうね。
投稿: いづつや | 2018.12.10 01:39