2018年 感動の日本美術 ベスト10!(1)
明治以降に活躍した日本画家で今年回顧展が開かれたのは横山大観(1868~1958)と東山魁夷(1908~1999)の二人。ともに人気の高い画家なのでいつも大勢の人が押し寄せる。
春の大観展(4/13~5/27 東近美)は充実した作品がずらっと並んでいたが、はじめてお目にかかる作品でおもしろいのがあった。大観は1910年に地球に近づいたハレー彗星を描いていた!西洋絵画をよく研究していた大観のことだから画面のなかに彗星を描き入れたジョット(1267~1337)の‘東方三博士の礼拝’を知っていたのかもしれない。
展覧会のベスト10に選んだ‘池大雅展’(4/7~5/20 京博)はぐっとくる絵が多すぎてどれを選ぶかで悩むが、新鮮さの点から‘嵐峡泛査図屏風’に決めた。大雅にこんな琳派風の絵があったとは!才能豊かな絵描きというのはいつの時代でも先人の絵を貪欲に吸収している。嵐山の川下りを洒落た流水文で表現する軽やかさ、真に池大雅はスゴイ画家である。
出動が遅れた‘リアル 最大の奇抜’(3/10~5/6、府中市美)は運よく後期に出品された渡辺崋山(1793~1841)の‘市河米庵像’をみることができた。ずっとこの顔にこぶのある書家の肖像画を追っかけてきたがこれまでまったく縁がなく、まさか府中美に出品されるとは思ってもみなかった。運よく情報が入ってきてのは市河米庵が呼んでくれたのだろう。‘何してんだ、早くみにこい!’と。
根津美の‘光琳と乾山’(4/14~5/13)も1点買いで出かけた。その絵とは長いこと待たされた尾形乾山(1663~1743)の‘八橋図’、この絵は以前は個人がもっていたが現在は文化庁が所蔵している。この絵に加え根津美蔵の‘定家詠十二ヶ月和歌花鳥図 九月’も飾ってあったので言うことなし。
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