2018年 感動の日本美術 ベスト10!(2)
国宝‘紅色地龍宝珠瑞雲模様衣裳’(18~19世紀 那覇市歴博)
もうすぐ新年を迎えるが、小さいころ正月は百人一首のかるたとりをよくやった。そのおかげで今でも歌人が詠った和歌をいくつか覚えている。こういう和歌はその深い意味まで理解できなくても‘五七五七七’の31文字のリズミカルな音の響きに惹かれて気持ちよく口ずさむようになる。だから、十八番の札を両親や姉、兄にとられると悔しくてたまらなかった。
出光美で行われた‘歌仙と古筆’(6/16~7/22)にあの‘佐竹本三十六歌仙絵’のまだみてなかった‘山邊赤人’(個人蔵)が出品されていることをみどりがめさんに教えてもらい、喜び勇んででかけた。初見のものに遭遇するとたとえ一枚でもすごく充実した気分になる。来年は秋に京博でまさかの‘佐竹本三十六歌仙絵展’(10/2~11/24)が開かれる。京都行きの前に一通り和歌をみておこうと思う。
展覧会のベスト10にサントリー美の‘琉球展’(7/18~9/2)を入れたのは紅型の国宝‘紅色地龍宝珠瑞雲模様衣装’が登場したから。どんな美術品でも長年待ち続けたものに会えると最高に感動する瞬間を体験する。日本美術で‘ピーク・エクスぺリエンス’だったのがこの紅型。鮮やかな紅色と生き生きした龍の姿を目に焼きつけた。
今年はパナソニック汐留ミュージアムに2度でかけた。河井寛次郎(1890~1966)の回顧展(7/7~9/16)とそのすぐ後行われた‘ルオー展’(9/29~12/9)。
河井寛次郎のやきもの展はこれまで何度も足を運んだのでパスしてもよかったが、‘三色打薬双頭扁壺’の緑の赤の誘惑に勝てず訪問した。大好きな三色打薬に新たなヴァージョンが加わっただけでなく、もう1点大きな収穫があった。モダンな模様にハッとさせられた‘流し薬瓶子’。こんないいものが兵庫陶芸美にあったとは!
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