2018年 感動の西洋美術 ベスト10!(1)
セザンヌの‘赤いチョッキの少年’(1888~90年 ビュールレコレクション)
アンリ・ルソーの‘豹に襲われる馬’(1910年 プーシキン美)
長いこと美術鑑賞を続けていると、展覧会そのものに関心がいくというより見たい度の大きい作品を目当てに出かけることが多くなってくる。だから、今年最も嬉しかった絵や彫刻との対面を振り返ってみるのはとても楽しい。まずは‘西洋美術のベスト10!’から(みた順で3回にわけて)。
今年の前半、西洋絵画好きの人にPRしまくったのが‘至上の印象派展 ビュールレコレクション’(2/14~5/7 国立新美)に出品されたセザンヌ(1839~1906)の‘赤いチョッキの少年’。セザンヌの追っかけが最終ゴールに近くなってきたのはフィラデルフィア美と2度縁があり念願だったセザンヌの‘大水浴図’と‘サント・ヴィクトワール山’をみることができたから。
残るはスイスにある‘赤いチョッキの少年’とモスクワのプーシキン美蔵の‘マルディ・グラ’、でもここに到達するのは時間がかかるだろうなと思っていた。ところが、幸運なことに‘赤いチョッキの少年’がわざわざ日本に出張してくれた。絵がわかるようになったころセザンヌのイメージはリンゴの静物画とこの絵でできあがっていた。その絵が目の前にあるのだから興奮する。
横浜美の‘ヌード展’(3/24~6/24)はずばり!デルヴォー(1897~1994)の‘ヴィーナス’の1点買い。この絵の存在を知ってからずいぶんと時が流れ、ロンドンのテートモダンにも何回か足を運んだのにどういうわけか姿を現してくれなかった。ようやくフランス人形のようなヴィーナスに会えた。
プーシキン美の作品は今年の展覧会を含めて3回みる機会があった。自慢のコレクションはなんといっても印象派とポスト印象派だが、近年どんどん人気が高まっているアンリス・ルソー(1844~1910)も4点くらい所蔵している。ルソー本で目をつけていた‘豹に襲われる馬’が出品されたのはありがたい。プーシキン美を訪問する計画がだんだん煮詰まってきたが、現地で残りのルソーもみれることを念じている。
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