美術館に乾杯! ヴィクトリア&アルバート美 その三
モリス&バーン=ジョーンズの‘ステンドグラス’(1880~90年)
ここは世界に冠たる装飾美術の殿堂なので、刀剣や宝飾品、陶器、ロダンの彫刻などもみたが記憶に深く刻まれているのはやはり絵画。コンスタブルのいい風景画とともに心を揺るがすのがラファエロの前派の作品。
そのなかで息を呑んでみたのがロセッティ(1828~1882)の‘白日夢’、モデルはあの‘プロセルピナ’のジェイン。これまでみたロセッテイのなかでこの2点がベストワン。だから、もうロセッティは済みマークをつけてもいいのだが、あと1点どうしても見たいのがある。それはリヴァプールのウォーカー・アート・ギャラリーが所蔵する‘ダンテの夢’、来年の三菱一号館の展覧会にやって来る?と勝手に妄想したくなるがダメだろうな。
バーン=ジョーンズの‘愛の車’は運がなく姿を現してくれなかった。未完成の絵だが、裸体の男性が乗る大きな車輪をつけた移動台を大勢の男女が引っぱっている。次はなんとしてもリカバリーしたい。また、ここにはモリス(1834~1896)と一緒に制作したステンドグラスもある。
テイトを訪問するとターナー同様数多くみることができるブレイク(1757~1827)、V&Aの自慢は‘反抗する天使に怒るサタン’。ブレイクの回顧展に遭遇することを夢見ているが今のところその気配はまったくない。そのため、テイト製作のブレイク本を手にしてその大胆な身振り手振りで感情を強く表出する人物を凝視している。
その大半はテイトのコレクションで占められているが、アメリカのボストン美にも2点鑑賞欲をそそるのがある。開拓の余地がまだまだある画家なので、作品をもっている美術館はひとつでも多く訪問したい。
| 固定リンク
コメント