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2018.09.06

美術館に乾杯! ポンピドー・センター その十五

Img_0001_2     フォートリエの‘人質の頭部’(1945年)

Img_0002_3     ヴォルスの‘蝶の翅’(1947年)

Img_2     アルトゥングの‘T1956-14’(1956年)

Img_0003     タピエスの‘逆さまの帽子’(1966年)

1945年ころにパリでおこったアンフォルメル(不定形絵画)は抽象絵画のなかでは重たくてとっつきにくい部類に入る。だから、デュビュッフェを除くとこれまで片手くらいしかお目にかかっていない。

ここにあげたフォートリエ(1898~1964)やデュビュッフェはフランス人だが、ヴォルス(1913~1951)とアルトゥング(1904~1989)はドイツ、タピエス(1923~2012)はスペインからやって来た。大原美術館にもあるフォートリエの‘人質’の連作、大原のは横顔でわかりやすいが、ポンピドーにある‘人質の頭部’は亀の甲羅とか鮑を連想する。人質の目の鋭さはナチスの大量虐殺に対する怒りのあらわれ。

ヴォルスの‘蝶の翅’にあらわれた不定形さはかなり激しい。タイトルをみなかったらこれが蝶の翅とは結びつかない。そのため具象画のイメージはまったく消え、わかるわからないは別にして今アヴァンギャルド絵画の真髄にふれてるのだと言い聞かせる。

使われていない黒い蓑が農家の納屋の壁に掛けられているというイメージがするのがアルトゥングの‘T1956-14’。抽象画はほかの作品との関連でみるとその特徴がわかる。黒一色で角々した形を並べたり絡み合わせるスーラ―ジュの画法に較べると、アルトゥングは線の端が曲がっている分少しほっとする。

バルセロナ生まれのアントニ・タピエス。マドリードのソフィア王妃センターではスペインが世界に誇る画家の一人として一室に作品が集められていた。‘逆さの帽子’は茶褐色の帽子のリアルな質感描写に視線が釘づけになる。だから、逆さになっていることに違和感がなく一部が切り裂かれ使いふるされた帽子にモチーフとしてのおもしろさを感じてしまう。

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